2人で見下ろしている先では、1人がいる。
横たわっているが、眠っているのではない。
片方は、見ていた。
片方は、行った。
けれど、どちらがどちらだったのか覚えていない。
「お前だ」
「お前が」
責めるのは容易いが、確信がない。
「わたしかも」
「しれない」
横たわっている一人が、身じろぎした、
ような気がした。
「まだ」
「生きて」「動いて」
「いる」
た と す ど け め な を け さ れ さ ば な
け
れ
ば
再び見下ろす。
その先には何かが横たわっている。
何かはよくわからない。
「お互いに忘れよう」
枸杞の花言葉を呟いて、1人が去った。
それでも。
どちらがどちらだったのか、わからない。
了
何だか穏やかではありませんねぇ。
今日は珍しく劇中にお花が出てきました。
選んだのは枸杞(くこ)。
花言葉は「お互いに忘れよう」でございます。
本来ならば、恐らく恋愛に関する言葉ではないかと思うのですが、
自分にとっては怖い話のソースになりました。
同じ言葉でも、人によって受ける印象ってずいぶん変わりますよね。
ちなみに枸杞の実は、杏仁豆腐に入ってる赤いやつです♪
その他のお花は以下の通り。
棕櫚(しゅろ)…「勝利」「不変の友情」
(熱いぜ!!)