太陽が輝いている。
風が吹いている。
雲が流れている。
花が咲いている。
草が茂っている。

見慣れても飽きることのない光景。
これが、私の世界のすべて。



山の中の名も無き村。



「やぁぁぁっ!」

気合い一閃打ち込んだものの、その剣はあっさりと受け流されてしまった。

「わっ」

そのまま跳ね返ってきた力の大きさに耐え切れず、少女は地面に倒れ込んだ。

「…よし、レイム。今日はここまでにしよう。」

頭上から諭され、水晶色の髪の少女は燃え盛る炎のように立ち上がった。

「いやだっ!まだだっ!あ、違う、まだですっ、お師匠様ッ!」

自分より頭1つ分、というよりは身体が一回りは小さそうな娘が、
臆することなく自分に挑みかかってくるのは愉快ではあったが、
師は愛弟子の体力の限界を冷静に見つめていた。

「いつもいっているだろう?無理の仕方を間違えるな、とな。
そろそろ飯の時間だし、私も少し疲れた。
続きは明日だ。」

「うー…、わかりました。」

まだ剣の稽古を続けていたかった。
けれど、疲れているのも事実だった。
汗と土埃で汚れた身体を流したい。
お腹だって、空いてる。

「はぁ…。」

何だか自分には色々と足りない気がして、
レイムは俯いた。
少しだけ沈む自分の気持ちとは裏腹に、風に遊ぶ自分の髪を押さえつける。

「レイム。」

「はい、お師匠様。」

心なしか力を失った少女の声に、困ったように微笑んで、
戦士はそっと彼女の肩に手を置いた。



細い。
柔らかくて、丸い。



まだまだ、戦士の身体になるには時間が必要だった。



彼女が自分の弟子であることは、純粋な喜びだった。
けれど、彼女は戦士になどならずに済めばいいと思ってしまう。



「お前は確実に強くなっている。
難しいことかもしれないが、焦るな。」

「…、はい。どうもありがとうございました!」



言葉にならない気持ちを噛み砕くように、奥歯をかちりと鳴らす。
それで、おしまい。

レイムはにっこり笑うと、一礼して歩き出した。



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ドラクエ4…の冒頭部分を自分流に書いてみたつもり。
マイ勇者は女の子。名前はレイムと申します♪
いやね、男の子の方は男の子の方で、色々妄想しているのですが(笑)、
女勇者大好きなのです。
DS版も出たことだし、ちょっと書いてみたいなと。

初パロディのお花は風船唐綿(ふうせんとうわた)というお花です。
花言葉は「楽しい生活」。ちなみに花と実で言葉がそれぞれあって、
花は「隠された能力」、実は「いっぱいの夢」だそうです。

仲間達と出会ってからの話も、いずれ書いていければなー、と思いますです。
妄想という名の列車は止まらないのです。

他のお花と花言葉は以下の通り↓

茴香(ういきょう)…10月5日参照。

ユーカリ…「新生」「慰め」「思い出」「再生」
(再チャレンジって感じだ)

段菊(だんぎく)…「忘れ得ぬ思い」「悩み」


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