この季節になると、人々は彼等を見ては溜息を吐く。
「これなんて立派ねぇ。」
「でも、高いわねぇ、国産は。」
なーんて、いいながら。
「でもたまには贅沢しちゃおうか!」
なーんて、手に取る人もいる。
きっと彼等は鼻高々で、
僕等のことをバカにしてるに違いない。
マツタケなんて、嫌なヤツに決まってるんだ。
そう決め付けてる僕はマイタケ。
だから、或る日のスーパーで隣り合ったマツタケに、いってやったんだ。
「君達はいつでもスターだね。
まるで王様みたいにぶっとくふんぞり返ってる姿が様になってるよ。」
そうしたら、思ってもみなかった言葉が帰ってきた。
「王様なんて、とんでもない。
<香りマツタケ、味シメジ>って、いいますでしょう?
確かに皆様、香りは誉めてくださいますけど、
味は他の方々の方が美味しいって思っていますよ。」
その人が女の人だったことにも驚いたけど、
そんな風に考えてるなんてもっと驚いた。
「あの、ええと…、」
しどろもどろになっている僕の目の前を、
得意げな顔のシメジが買い物かごの中に入っていった。
了
何だろうかこの話は。
久し振りに、あまり考えないで書いた感じです。
でも、楽しかったです。
それはそうと、今日のお花はずばり、松茸です。花言葉は「控えめ」。
欧米では松茸の香りってあんまり良くは思われていないんですねぇ。
その他のお花と花言葉は以下の通り↓
メロン…「飽食」「豊富」「潤沢」「裕福」「多産」
(貴族っぽい話が書けそうです。まさかメロンまで花言葉があるとは!)
数珠玉(じゅずだま)…「祈り」「恩恵」「成し遂げられる思い」
(これはすごく綺麗なお話が書けそうです。)