運動が得意だって言っているのに、なんでフォークダンスなんだ!自分!!

などと照れ隠しに自分突込みしつつ、この種目を選んだのは他でもない。アイツと踊りたかっただけだ。
うちの学園のフォークダンスは『マイムマイム』や『オクラホマミキサー』みたいな子供だましじゃない。

『タンゴアルゼンチーノ』

フォークダンスじゃねえだろ!
と突っ込まないで欲しい。ついでにいうと宝塚でやったアレでもねえぞ。
あの情熱のタンゴ。一緒に踊ったカップルの、三組に二組は情熱的な恋に落ちるという。ちなみに残りの一組は、ギックリ腰や痙攣などで、救急車で運ばれるとか。
三分の一の確率での恐怖。それと引き換えの甘い誘惑。
アルゼンチーノなのにロシアン(ルーレット)も混ざったインターナショナルなダンス。
俺は、さっそく、誘いに行った。
「俺と、踊ってくれませんか?」
俺が誘った相手というのは




駿

梅若先輩

ジル