ひろみか☆PLAZAものがたりの部屋>サンタクロースの プレゼント3



それから一年間。
サンタ・クロースはずっとあの男の子のことが気になっていました。
サンタクロースのことを信じていないひとには、
サンタ・クロースの姿は見えなくなってしまうからです。
「あの坊やは、まだわたしのことを信じてくれているだろうか?」

次の年のクリスマス、サンタ・クロースはいちばんに
男の子の部屋を訪ねました。
そぉっと中をのぞくと、そこには、
去年よりひとまわり大きく成長した男の子が、
目をまんまるくしてサンタ・クロースを見つめていました。

「おじさん、ほんとうに来たんだね・・・!
ぼく、今日まで待つのがあんまり長かったから、
途中で信じるのやめようと何回も思ったんだよ。
でも、約束したから・・・今日までは、信じる事にしてたんだ。」


「それはよかった、」
サンタ・クロースはにっこり笑って言いました。
「さあ、プレゼントだ」
「ありがとう!」男の子は急いで包みを開けました。
「・・・!なにも、はいっていないよ!?」

「わたしからのプレゼントはね、目に見えないものなんだ」
「目に、見えないもの?」
サンタ・クロースは、驚いている男の子の手を取って言いました。
「一年間ずっと信じていてくれた坊やに特別なプレゼントだ。さあ、いこう!」
気がつくと、男の子は部屋の外にいました。
そこには、トナカイのひくそりが待っていました。
「今から、世界中のこどもたちにプレゼントを配るんだ。きみもいっしょにきておくれ。
さあ、急がないと。しっかりつかまっているんだよ!」
そりは音もなく空に舞い上がりました。






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