ひろみか☆PLAZAものがたりの部屋>サンタクロースの プレゼント5



気がつくと、東の空が白んでいました。
「さあ、そろそろお別れだ」
サンタ・クロースはやさしく言いました。
「坊やの部屋にもきっと、
ご両親からの素敵なプレゼントが届いているだろう。
それと、わたしからの、『夢』のプレゼントも。
いつかきっと、坊やにもわたしの言っていた事がわかるようになる。
そしたらこんどは、坊やがこどもたちに『夢』を届けておくれ。
それじゃあ、わたしはもう行くよ。また来年、会えるといいね!」

「まって!ぼくがどうやってプレゼントをくばるの!?」
驚いて叫んだそのとき、男の子ははっと目が覚めました。
朝日がさしこむベッドの脇に、
リボンに包まれたプレゼントが置いてありました。
そして、その脇に、空っぽの箱がひとつ・・・。

「夢じゃなかったんだ・・・」
男の子が箱を拾い上げると、中に一枚の手紙が入っていました。


「 坊やへ

昨日の旅は楽しかったかい?
ちょっと難しい話をしてしまってすまなかった。
でも、必ず坊やにもわかるときがくるよ。
いつかきっと、坊やはわたしになるんだから・・・。

サンタ・クロースより 」




'99.1.10 ひろみか作
ふたりのこどもたちに捧げます。

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