ひろみか☆PLAZA>ものがたりの部屋>サンタクロースの プレゼント1
ある年の、クリスマスのことです。
サンタ・クロースは、いつものようにプレゼントを配り終え、
まだ誰も起き出さないうちにそ〜っと
サンタの国へ帰ろうとしていました。
その時、ある家の窓辺で、
しくしく泣いている男の子を見つけたのです。
「どうしたんだい?」
サンタ・クロースは、思わず声をかけてしまいました。
男の子は、泣き腫らした目でサンタ・クロースを見上げると、こう言いました。
「どうせ、おじさんも、にせもののサンタクロースなんだろ?」
「ぼく、友達に言われたんだ。
サンタクロースなんか、いるわけないって。
ぼく、違うって言ったんだ。
でも、サンタクロースはパパとママなんだっていうから、
ぼくは昨日の夜、ベッドの中でずっと
サンタクロースがくるのを待ってたんだ。
そしたら・・・そしたら・・・
プレゼントを持ってきたのは・・・パパだったんだ・・・。」
男の子はそう言って、
ぽろぽろ、ぽろぽろ涙をこぼしました。