そして次の日・・・。

「いらっしゃいませ!」

『ホール・イン・ワン』に、新しい声が響く。

期待の看板息子、ライゼは、早速よく働いてくれた。

「いいじゃないか」

バーディは喜んでいた。勿論、俺も嬉しい。

そして、キャディーさんも。

何故なら・・・。

「いらっしゃいませ!」

酒場の裏手から、木箱を担いだジムが素晴らしい笑顔を向けている。

今朝方、俺が不採用を伝えに行ったら、

「そうですか!でしたら、雑用か、或いは用心棒でも構わないのですが!」

と、素晴らしい笑顔で言われてしまったのだ。

 

「ま、看板息子を狙う熟女が現れんとも限らんからな」

言い訳がましくバーディに言うと、ヤツは無言で頷いた。

 

ともかく、開店から1年。

田舎町グラスの酒場『ホール・イン・ワン』は、新しいスタートを切ることとなったのだった。

 

 

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