「ふむ、皆の者!世話をかけたな!レオンのお陰で事は解決した!私は戻るとするぞ!」
大満足の子爵様は、あたしの頭を一撫ですると、弾むように去って行った。
「それでは皆様、失礼致します」
素敵な執事も去って行った。
後に残るは庶民達。
「な、何だったんだ・・・」
流石のボギーもそれ以外に言葉が出ないみたい。
「さあ皆!これからお客が増える時間でしょ!事は済んだんだから、いつまでもぼーっとしてないの!!」
あたしが渇を入れてやると、ようやく皆が動き出した。
『ホール・イン・ワン』はこれからが忙しい。
そしてあたしもこれからが1番忙しい。
何故ならあたしは番犬だから。
夜こそあたしの時間なのよ。
了
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