どーん!



ものすごいおとがして、ぼくははっとめをさました。

ああ、ゆめだったんだ。よかった。

「ぐがー。」

パパのいびきがきこえる。

さっきのすごいおとは、パパがふすまをけっとばしたおとだった。

「…どうしたの?おトイレ?」

ママのねむそうなこえ。

「ううん、だいじょうぶ。」

でも、まだちょっとこわかったので、

ぼくはちょっとだけママのほうにころがってねた。



<こんこん わいわい>はこなかった。



つぎのひは、はれ!

「よーし!わすれものないか?」

パパがリュックをしょって、ぼくにぼうしをかぶせてくれる。

「うん!だいじょうぶ!」

ぼくははやくゆうえんちにいきたくて、ぴょんぴょんとびはねた。

「じゃあ、さきにくるまにのってて。すぐいくから。」

ママがいなくなったので、ぼくはこっそりパパにいった。

「パパ、きのうはありがとう。」

「ん?なにが?」

「パパが、ふすまをけっとばして<こんこん わいわい>をおっぱらってくれたんだよ。」

パパはなんだかよくわからないかおをしていたけど、ぼくのあたまをなでてくれた。

「そうか。じゃあ、また<こんこん わいわい>がきたら、おっぱらってやるからな。」

「うん!でも、ママにはひみつだよ?」



だって、はずかしいもん。こわいっていうの。


おしまい

まえへ

あとがき


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