物語を聞かせよう。古い古い、妖精の話を。
それは、小さな小さな妖精達の話。
その妖精達には様々な儀式がある。
祝う時、恐れる時、悲しむ時。
その中で最も大切な儀式は、自分の羽を手に入れること。
妖精は、自分で自分の羽を見つけて、初めて1人前になれるのだ。
その羽は、どんなものでできていたって構わない。
草でも、花でも、抜け落ちた鳥の羽でも、何でも。
これから語る物語は、或る少年の物語。
古の英雄を夢見て、竜の羽を自らの背に望んだ妖精の少年の物語。
曇ることのない少年の望みに心打たれ、
遠き地への長い長い旅の間、命を共にした仲間達の物語。
まずは、その始まりの物語。
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