気付けば空は夕焼けに染まり、個性的な形の影が、長く長く伸びている。
「ねえ、ナイト」
スライムは自分の上の相棒を上目遣いで見つめた。
「どうした?」
ナイト声が、いつもより優しい。
「ぼく達、わかったね。」
「…ああ。」
勇者になりたかった訳。
戦う訳。
スライムとナイトが1つになった訳。
全ては、守るために。
「…エイル、かっこよかったな。」
ぽつりともらした己が半身の言葉に、ナイトは軽く笑う。
「何で笑うの?」
独り言を聞かれてしまった気恥ずかしさに、怒ったような声を出すスライムだったが。
「…エイルの目と、お前の目は、よく似ていたよ。」
ナイトの一言が嬉しくて、思い切りジャンプした。
いつもの、笑顔で。
おしまい
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後書き