自作スピーカーの紹介

<MK-05>サブウーファーDRW型


MK-04用サブウーファー

MK-04のサブウーファーとして長岡鉄男氏のDRW型1号機の3分の1のサブウーファーを製作する。
書物によると、DRWとは超低音だけを再生するスピーカーである。その原型はASWにある。まずASWについて簡単?に言うと密閉箱とバフレス箱にスピーカーユニットをサンドイッチにした形である。そのASWのバフレス箱をダブルバフレスにしたものがDRWである。
今回作成するDRW型は、3つの箱からなり各箱を上に積み上げた形になる。下図1の左端の密閉型スピーカー(1段目)を一番下に置き、次に真ん中のバフレス箱(2段目)を上に乗せ(図2)、左端のバフレス箱(3段目)を更に上に乗せる。

長岡氏によると、「超低音だけを再生するASW (acoustic super woofer)方式とは、バスレフのダクトから放出される低音だけを利用し、ウーファーのコーンから放出される音は密閉箱でカバーして外へ漏らさないようにする。」(長岡鉄男のオリジナル・スピーカー工作45より)である。

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 図1    図2


[ASWの基本]

(引用文献:雑誌の長岡鉄男オーディオ・コーナー スーパー・ウーファーの製作・2”MAGNITUDE 3”より)

ASWは、磁気回路とヴォイスコイルによって生じる駆動力で、コーンとメイン・キャビネット内の空気を仲介として、ダクトを振動させるという形をとる。

<ユニットの条件>
・駆動力が大きいこと。磁気回路が強力であること。
・インピーダンスが広域に向かって急上昇しているものが良い
・コーン、エッジとも丈夫であること。
・F0は低い方が良い
・Q0は低い方が良い

<バフレス部キャビネットの設計>
・ダクト開口面積は大きい方が能率は高い。実用的には振動版実効面積の0.5〜1.0倍だろう。
・ダクト長は10cm以上になるように設計する
・ポートの位置は床面に近い方が良い。
・キャビネットの実効内容積はポート面積、ダクト長、fdの三つの条件で決まってくる。
・吸音処理は原則として不要だ。が、ある程度の吸音処理は必要。


<方向性>
ユニットの選択。ウーファーユニットが良いと言われているが、MK-04がFE103Enを使っているところから、高価なユニットは使わず低価格フルレンジでマグネットが大きいE126Enと決める。

キャビネットの選択。MK-04のサブウーファーなのでSW-1で十分とも思うが、世界に一つにこだわり、またダブルバフレスにもこだわり、DRW-1の3分の1のキャビネットを製作する

キャビネットの実効内容積。DRW-1がおおむね37リットル、49リットル、136リットルなので、12リットル、16リットル、45リットル位を考える。

ダクトの面積は下記共振周波数計算を参考に両ダクトとも1辺7cmの正方形にし、ダクト長10cmと12cmを用意し検討する。

  1. ダブルバスレス共振周波数計算(PDF)


<材料>

内容

  1. 投影図(PDF)
  2. 板取図(PDF)

<制作>

制作はさほど難しくはなかった。ただ、箱が大きいだけに置く場所に苦労した。
各箱のふた部分は接着せず、ねじ止めとする。吸音材等の変更のためである。密閉度が問題になるが変更の柔軟性を優先する。
図1の左端の密閉型スピーカー(1段目)は単純な箱、吸音材をふわっと全体に詰める。
図1の真ん中のバフレス箱(2段目)は補強板1段、底板は4枚の張り合わせにした。
図1の左端のバフレス箱(3段目)は大変トールな箱である。補強板は3段になる。
(投影図参照)