ひろみか☆PLAZA育児なるほど辞典>第9回「叱らない育児」




第9回のお題 「叱らない育児」

第3回の話題で、子供に基本的信頼を与えることの大切さを取り上げました。
むやみに叱り飛ばす育児をしてしまうと、子供の心に「基本的不信」が芽生えてしまうと
書きましたが、では、子育てに「叱ること」は禁物なのでしょうか。
どうしたら、叱らずに子育てができるのでしょうか?・・・この点について、
わたしが講義を受けた臨床心理学の先生は、こんな風に教えてくれました。

たとえば食事中、子供がだらだらと遊び食べをしていて、コップの中身をこぼしてしまった。
もう、何やってんの!だからちゃんと食べろっていったでしょ!!と、怒鳴りたくなりますよね。
でも、待てよ・・・?叱る育児はよくないんだ。怒らない怒らない・・・。と自分に言い聞かせ、
「あらあら、こぼれちゃったねぇ〜、ママがこんなところにコップを置いておいたのが
いけなかったね。**ちゃんお洋服濡れなかった??」なんて、笑顔でフォローする。
・・・これでいいんでしょうか?いいえ、これでは、叱らないことを気にするあまり、
子供に大切なことを教え損ねてしまいますね。

「叱らないこと」は、「子供に『してはいけないこと』を教えること」まで否定するものでは
ありません。食事中はこぼさないように気をつける、おもちゃで遊んだら片づける、
どれもみんな子供に伝えなければいけない大切なことだと思います。
なのに、「叱っちゃいけない」と思うあまり、「いけません」と教えることまで忘れてしまう。
これでは、せっかくの「叱らない育児」も、本末転倒となってしまいます。
人間として社会で生きていく以上、「してはいけないこと」はたくさんありますよね。
それらを子供に伝えていくのは、とても大事な親の役目です。
我が子がお友達を泣かせたら、「ごめんねー、おばちゃん怒っておくからね」と言いつつ
自分の子には「あの子が悪かったのよね?**ちゃんは悪くないのよね〜」と言う。
子供がしでかしたいたずらを、全部自分のせいにしてしまう母親もいるのです。
いわく、わたしが見ていなかったから。わたしが注意していなかったから。
みんなわたしのせい、この子は悪くない・・・。この子に限って・・・!
その母親は、自分では「叱らない育児」を立派に実践しているつもりなのでしょうが、
そうして成長した子供は、うまく社会生活が送れるでしょうか!?
都合の悪いことはすべて周りのせいにする、困った人間に育ってしまいそうですね。

「叱らない育児」をしたいと思っているご両親は、ぜひとも「教え諭す育児」を
実践してほしいと思います。子供がおもちゃを片づけない、片づけろと言ったら
「**くんのおうちは、ママがかたづけてくれるんだよ!」なんて言い返してきた時。
あるいはその逆で、遊びにきた子供の友達がいつでもおもちゃを散らかしっぱなしで
帰って行く。勝手に冷蔵庫を開けてジュースやお菓子を食べていく。駄目だと言いたいが
「あのおばちゃん、恐い」って評判が立ったら困る・・・というような時。
そんな時こそ、ぜひ、「教え諭して」あげましょう。「うちでは、おもちゃは使った人が
片づけることになっているの。」「うちでは、冷蔵庫は大人しか開けちゃいけないの。」
そう教えることは、決して叱ることではないですよね。
あなたも小さい頃、ご両親に言われませんでしたか?
「そんなに**ちゃんの家がいいなら、**ちゃんのおうちの子供になれ!!」って・・・。
これは、「うちにはうちの決まりがある」という、わかりやすい教え方ですよね。(^_^)