おひめさまのたびはつづきます。

おひめさまは、くろうまガジェとあおいとりといっしょに、

おうたをうたってあそんでいました。

3にんのたのしそうなようすに、お月さまもにこにこ。

それはそれはたのしいじかんをすごしていました。

 

するとどうでしょう、むこうからお花畑(はなばたけ)のような

おほしさまがやってきたではありませんか!

「あっ、おひめさま。むこうからだれかきましたよ」

あおいとりが、うたうのをやめていいました。

「ほんとう?だれかしら?」

おひめさまも、うたうのをやめました。

「ごあいさつしてみたらどうでしょう?」

と、ガジェがいったので、3にんはきちんとならんで、お花畑の

おほしさまにごあいさつをしました。

「こんにちは、お花畑のおほしさま!」

3にんのやさしいことばに、お花畑のおほしさまはたちどまって、

ごあいさつをかえしてくれました。

「おやおや、こんにちは、みなさん!」

おほしさまがそういうと、もう1つ、ちがうこえがきこえてきました。

「こんにちは!」

みんながびっくりすると、お花畑のおほしさまのうえで、おんなのこが

くすくすわらっています。

「まあ、あなたはどなた?」

おひめさまがこえをかけると、そのおんなのこはいいました。

「わたしは花のおひめさま。おともだちをさがしているの」

月のおひめさまは、またびっくりしていいました。

「それじゃあ、わたしといっしょだわ。わたしは月のおひめさま!

 ねえ、花のおひめさま、わたしとおともだちになって!

 そしていっしょにもっとたくさんのおともだちをさがしましょう!」

月のおひめさまはいいました。でも、花のおひめさまはいいました。

「ありがとう、月のおひめさま!わたしたち、もうすてきなおともだちだわ。

 でもね、いっしょにはいけないの。わたしはちがうところへ、おともだちを

 さがしにゆくから」

それをきいて、月のおひめさまはしょんぼりしてしまいました。

すると、花のおひめさまがまた、いいました。

「げんきをだして、月のおひめさま。いっしょにいなくても、とおく

はなれていても、わたしたちはおともだちでしょう?」

お月さまも、いいました。

「そうですよ、おひめさま!きもちはいつでもいっしょです!」

月のおひめさまは、やっとげんきになりました。

「そうね。はなれていたって、おともだちですもの。またあえるんだものね」

「ええ、月のおひめさま!わたし、ぜったいあなたにあいにゆくわ」

そういってふたりは、ゆびきりげんまんをして、おやくそくしました。

「それじゃあまたね、さようなら!」

「ええ、またね!」

ふたりのおひめさまは、にっこりわらって、てをふりました。

いつまでも、いつまでも。

 

おしまい


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