肝芽腫に限らずがんは「退院して数値が正常になれば治った」ということではありません。本当に治ったのかどうかということは10年くらい経って何事もなかった時に初めて治ったと言えるわけで、それまでは寛解(かんかい)と言います。腫瘍マーカーも正常で限りなく治ったように見える状態ということです。ですから退院後も定期的に通院して腫瘍マーカーや画像検査などを続けていきます。これを『経過観察』と言います。
(※退院後のことについては今後も充実をはかっていこうと思います。2008.2)


1. 定期外来の頻度と検査
2. 親にも癒える時間が必要


  1.定期外来の頻度と検査 

外来の頻度はその子の状態や病院のやり方、医師の判断によって違いますが、退院してすぐには外来の頻度も多く、安定した状態が続けば頻度は少なくなっていきます。
外来で毎回必ず行うのが採血です。
採血で身体の状態を診ますが、一番きになるのがAFPです。
たいていのお父さんお母さんは「この数値を聞くまではドキドキが止まらない」と言います。
採血のほかに数ヶ月に1度、あるいは年に1度やるものとして腹部胸部のCTや外科外来などがあります。
また直接腫瘍の再発をチェックするための外来の他に、聴力障害があれば耳鼻科、長期入院による情緒不安定や発達障害があれば療育科の外来に通うことになります。歯科での検診もしておくと安心です。





  2.親にも癒える時間が必要 

寛解で退院しても不安にさいなまれるのには親として当然です。多くの親、特に母親は退院して社会生活に子どもを戻す時に、元気に過ごしてきた子どもの親との間にさまざまなギャップを感じたり、無神経な言葉に落ち込んだりひどくなるとうつ状態になってしまったりすることもありますが、まさに「子どもが生きるかどうか」という経験をしてきたのですから、「元気が普通のこと」として過ごしてきた親との間にギャップを感じるのは当たり前のことです。

それに治療で大変な思いをしてきた子ども自身はもちろんですが、親も精神的肉体的にダメージをたくさん受けています。
それが癒えるには、人それぞれに必要な時間と方法は違いますが、必ず癒えていきますのであまり思いつめないようにしてください。

肝芽腫は今では70%の子どもが長期生存できるようになって来ましたし、小さい頃肝芽腫になっても元気に成人している方々もいます。中にはプロの総合格闘家として活躍している方もいらっしゃいます。