どんなに良い治療をしていても、悪性腫瘍は再発することがあります。
再発した場合はまた一から出直しての治療が必要となります。

再発する場所としては肝臓の腫瘍を取った後の場所からまた腫瘍が出てきてしまう「局所再発」、肺やこれまで正常であった肝臓への転移での再発、またCTなどを行ってもどこに腫瘍があるか解らないが血液中のAFPの値が上昇してくる様な形の再発もあります。
再発後の治療は、いつ再発したか(治療中か治療が終わった後か)、どこに再発したかにより異なってきます。
再発した腫瘍を手術で取ってこれまでとは異なった組み合わせの薬剤で化学療法を行うこともあります。また肺にたくさんの転移が見られ、一回の手術では全部を取りきれないような場合は、化学療法を先行させその後手術を行うこともあります。
症例によっては治療の最後に造血幹細胞移植による超大量の化学療法を行う場合もあるかもしれません。また限られた施設ですが、正常の肝臓を残せないほどの大きい腫瘍が肝臓に出来てしまった時、生体肝移植を行うことも行われています。
肝芽腫に限らず悪性腫瘍が再発した場合、その後の治療は再発前と比較して難しくなります。
しかし再発したと言うことは直らないと言うことではありません。
主治医とよく相談して最善と思われる治療法を選んで行って下さい。
                                   (元神奈川県立こども医療センター腫瘍科部長  豊田恭徳)


1. 再発かどうかが疑われる場合
2. 再発しやすいタイプはあるのか?


  1.再発かどうかが疑われる場合 

画像ではっきりと分かればよいのですが、初めのうちはAFPの上昇のみで画像でどこにあるのか全く分からないことがあります。万が一この時点で『生体肝移植』を勧められた場合は、おかしいと思うようにして下さい。
生体肝移植は「絶対に肝臓以外に腫瘍がないこと」が条件です。
どこに腫瘍が出てくるのか分からない状態で行うのは非常に危険ですし、肝芽腫をよく知っている医師ならば勧めることはありえませんが、実際には会員でもこの状態で勧められたケースがありました。もしそうなった場合には当会もしくはJPLTに直接相談して下さい。


  2.再発しやすいタイプはあるのか? 

完全切除ができなかった。
組織型が低分化型や未分化型
腫瘍の大きさに比べて
AFPが低い
初発の時に転移や破裂があった

などいくつかありますが、予後因子の悪いものがいくつかあるからと言って、必ず再発するものではありません。