晩期障害(ばんきしょうがい)とは、治療終了後に出てくるさまざまな問題で、治療中に出てくる「副作用」や「合併症」と同じようなものですが、治療中は何でもなかったのに治療が終わってからや治療終了後何年も(時には10年以上)経ってから出てくるものもあります。

肝芽腫は現在のようなプロトコールを使った集学的な治療を始めたのが1990年頃からですので、当時2才だった子が2008年にやっと成人になります。ですから現在分かっている晩期障害以外にも今後あらたな晩期障害が出てくる可能性はありますが、とりあえず現在分かっている主なものを掲載します。


1. 晩期障害にはどんなものがあるの?
2. すぐに病院へ連れて行って!




  1.晩期障害にはどんなものがあるの? 

現在分かっている晩期障害は、『腸閉塞』、『心筋梗塞』、『心機能障害』、『歯の形成障害』、『聴力障害』、『心の発達の遅れ』などです。その他にも「これは治療の影響ではないか・・」というものはいくつかありますが、はっきりとしているのはこれらです。
このうち、腸閉塞』、『心筋梗塞』、『心機能障害』については、症状が現れたらできるだけ早く医師に診せなくてはなりませんが、『歯の形成障害』、『聴力障害』、『心の発達の遅れ』などは医師とともに定期的にじっくりと経過を診ていきます。また、晩期障害とは少し違うかもしれませんが、退院時には小さかった子が成長することによって子ども自身が「悩み」として抱えるようになるものもあります(傷あとなど)。

急を要する症状以外のものは、専門家との連携や日常での工夫・配慮で何とかやっていかれるものがほとんどですので、あまり心配しすぎないようにして下さい。
「晩期障害や退院後の問題にはこういうものがある」、ということを知った上で、その子の体力や状態に合わせた生活をしていき、もし晩期障害が出た場合にはその時に医師や各専門家に相談していくのがよいと思います。





  2.すぐに病院へ連れて行って! 

 
急激に激しい腹痛を訴え嘔吐する場合、腸閉塞の可能性があります。普通の感染症などでもよくある症状なので素人にはなかなか分かりにくいのですが、「これはちょっと普通じゃない」と思ったら病院へ連れて行ったほうがよいでしょう。
開腹し肝臓という大きな臓器を切除すると多少なりともお腹の中で癒着を起こし、それがひどくなると腸閉塞を起こすことがあるのです。

 
心筋梗塞は、第二次成長期など身体が急激に成長して大きくなる時に心臓の働きがそれについていかれなくなり起きることがあります。
肝芽腫の子の場合は退院してもまだまだ先のことですが、退院してから一度は心エコーで診てもらうと安心です。