SCARLET THREAD

  フィンランドのプログレッシヴ・ロック・グループ「SCARLET THREAD」。95 年結成。作品は二枚。トラッド・バンドが初期 YES の作品を演奏しているようなユニークな作風。新作「Never Since」発表間近。

 Psykedeelisiä Joutsenlauluja

 No Image
Jani Timoniemi guitars, bass
Sami Hiltunen guitars
Eini Pesala violin
Anni Pesala flute
Penu Koskela drums
guest:
Jukka Tokikokko bass on 2,5
Timo Kuukasjaxvi hammond organ
MIka Pohjola moog

  2002 年発表の第一作「Psykedeelisiä Joutsenlauluja」。 内容は、エレクトリック・トラッド・ロック。 ギター中心のサイケデリックなハードロックに、ヴァイオリンなどトラッド・ミュージック風のアコースティックな音によるフォークソングのノリを付け加えたスタイルである。 ややがちゃがちゃした印象はあるが、演奏は安定しているし、スリリングな展開もある。 ただし、ハードロック的な元気さはまあいいとして、トラッド風の音も普通のロック、ポップス風になってしまっていて、その音質から自然ににじみ出るはずの哀愁がない。 その分、味わいが単調になっている。 もっとスカスカな音ならば、サイケ・タッチとフォーク・タッチがかみあっていい味わいが出たかもしれない。 ただ、元々トラッド的なものよりも、YES のような込み入ったアンサンブルのプログレ路線が趣味である可能性もある。 独特の毛羽立った音質とけたたましさに抵抗がなければ楽しめる。 全曲インストゥルメンタル。
  
(MMP448)

 Valheista Kaunein

 No Image
Jani Timoniemi guitars
Sami Hiltunen guitars
Erja Lahtinen violin
Janne Tuovinen bass
Jere Nivukoski drums
guest:
Juha Sutela flute
Essi Suikkanen flute on 6, 7

  2006 年発表の第二作「Valheista Kaunein」。 古風なハードロックとトラッド・フォークの合体のような個性的な作品である。 トラディショナルなサウンドとプレイを得意とするヴァイオリン奏者をフィーチュアするのだが、ギター・リフが刻まれリズム・セクションががんばってアンサンブルが沸騰し始めると、なんと往年のハードロックに近い一直線なインパクトとスピード感が出てくる。そこへフルートが入れば、ほとんど JETHRO TULL だし、ギターのリードで全体がガチャガチャしながらも走り出すと、初期の YES に近いイメージとなる。 やかましいドラムスとワウ・ギターのソロは、完全に 30 年くらい昔の音である。 ギターのプレイには、ナチュラル・トーンを活かした独特のペーソスがある。それにしても、北欧では、何故に昔からこのような 60 年代風のギター・プレイが好まれるのだろうか。 一方、ヴァイオリンは、主としてヘヴィなトゥッティでたたみかけた後の「切り返し」として、フォーク調のリリカルなプレイで演奏に起伏を付けている。 YES ばりのワイルドな演奏では、スティーヴ・ハウ風のワイルドなギターを受け止めて、アンサンブルをなだらかなラインで引き締めるオルガンの役割を、このヴァイオリンが負っている。 インストゥルメンタル。 タイトルは「偽の野原」という意味らしいが、ジャケットの「人木」とも関係がありそうだ。
  
(MUSEA / FGBG 4670.AR)


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