イタリアのプログレッシヴ・ロック・グループ「SACKA」。 98 年結成。
| Steo | guitar |
| Alby | voice, noise |
| Coje | bass, chorus |
| Koppy | drums, percussion |
| Ale | piano, keyboards, flute, chorus |
99 年発表のアルバム「Lontano Nel Tempo(Se Possibile)」。
内容は、ヴォーカルを前面へと出し、メロディアスながらも破天荒なアレンジがうれしいネオ・プログレッシヴ・ロック。
最近のグループらしく、ロックとしての躍動感はすばらしく、そのなかにイタリアン・ロックらしいフォーク風の素朴で熱いメロディ・ラインが活きている。
そして、音色そのものよりも、演奏の緩急の変化や展開をプログレらしく仕上げているために、派手さはないもののしっくりとファンの耳になじむような気がする。
音そのものは、いわゆるプログレよりもずっとストレートであり、アクセスしやすい。
おそらくプログレ好きでありながらも、頭でっかちではなく、基本としてのロック運動神経がいいのだろう。
いわゆるテクニカルかどうかとは別のカッコよさが、間違いなくある。
これは、スタイルが優先される昨今には貴重となった、「自分のいいたいことが明確にある」おかげなのだろう。
もっとも、音や流れが 70 年代のイタリアン・プログレに似ているといわれれば、確かにその通りなのだが。
テクニックとは別にといったが、もちろん凝ったプレイも食傷するくらいしっかり決めており、特に JETHRO TULL や KING CRIMSON を思わせるようなハイテンションでトリッキー、なおかつ密度の濃い全体演奏と、フルートが軽やかにエネルギッシュに演奏を仕切るところが、特徴的だ。
さらには、ピアノが切々と鳴りシンプルななかに、詩的な深みのある SSW 的な表情もある。
幻想的なパートは GENESIS、YES 風なのだが、これだけ時代を経てしまうと、本家から直接というよりも英国に端を発すネオ・プログレの共通語を用いているというべきかもしれない。
ヴォーカルはイタリア語であり、声量のなさをハイトーンと機敏な節回しでカヴァーし、言葉多く歌い散らして自己主張するタイプ。
演歌風の歌いこみとはかけ離れた、青臭いメランコリーを匂わせる声に好感が持てる。
全体に、テクニックはともかく、初期の P.F.M のイメージに近い。
最大の魅力は、機敏な演奏力とブリティッシュ・ロックとカンタゥトーレの伝統を同時に見せるヴォーカル・パートだろう。
曲間を短いモノローグで綴ったアルバム構成や、ギターがたまに見せるネオ・プログレ典型のハケット風プレイなど、コテコテな面も確かにある。
しかし、総合的には、無理にプログレというくくりに入れる必要のない、知的にして小気味のいいロック・リヴァイヴァルというべき存在である。
ポップをアーティスティックに解釈した心意気が、たまたま 70 年代イタリアン・プログレを支えた男たちのイメージと重なるということだと思います。
やや薄っぺらい録音さえ気にならなければ、かなりの内容。
13 曲目「Il Bandito」はトリッキーでリズミカル、そして流れるような筆致が魅力の傑作。
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