RECORDANDO O VALE DAS MAÇÃS

  ブラジルのプログレッシヴ・ロック・グループ「RECORDANDO O VALE DAS MAÇÃS」。 74 年結成。 グループ名は「Remember Apples Valley」の意味。 77 年アルバム・デビュー。 82 年まで活動。 92 年再結成し、CD 作成とライヴを行う。

 As Crianças Da Nova Floresta

 
Fernando Pacheco electric & acoustic guitars
Miltom Bernardes drums, percussion
Eliseu Filho(Lee) keyboards, violin
Ronaldo Mesquita(Gui) bass
guest:
Fernando Motta acoustic guitar on 5,6
Domingos Mariotti flute, digital horn
Fernando Ramos keyboards

  93 年発表のアルバム「As Crianças Da Nova Floresta」。 78 年のオリジナル第一作から 1 曲(ただし再演/再録)、ギタリストのフェルナンド・パチェコのソロ作品から 1 曲、そして未発表曲 4 曲を収録した編集盤である。 全曲インストゥルメンタル。 ジャケットは 78 年のオリジナル LP と同じだが、内容は上述のように異なるので、ご注意ください。
  内容は、キーボード、フルート、ヴァイオリンを使った、カラフルでリズミカルなシンフォニック・ロック。 クラシカルなシンフォニック・ロックに、ほのかなラテン/民族風味を加えた、フレッシュな演奏である。 ジャケットのイメージ通り、取れたてのリンゴのように、新鮮で弾けるような瑞々しさがある。 ギターやシンセサイザーが歌い上げるフォーク・タッチのテーマは、素朴にして愛らしく、そのメロディにフルートやヴァイオリンが寄り添い、音にふくよかな張りを与えている。 電気楽器が主導となる文脈でも、常にこのアコースティックでデリケートなフォーク・タッチが感じられる。 シンセサイザーは、ストリングス系と金管楽器系が主であり、音にナチュラルな透明感がある。 デジタルな華やかさではなく、(電子音ながらも)生音っぽい素朴なテクスチュアをもつ。 一方、エレキギターは、ピッキング主体のムチャ速弾き系に走りがちだが、テーマやソロにおけるエモーショナルな表現は、みごとだ。 スローなパートではリズムがやや危うくなり、やや弾き過ぎの感あるも、丹念なプレイが、結局は感動を呼ぶ。 エレアコやアコースティック・ギターを用いた柔らかなアルペジオ、コード・ストロークは、アンサンブルにデリケートなニュアンスを加えている。 これらの音を基本に、楽器同士がヴォーカル・ハーモニーとともに快活に歌い合う演奏となっている。 リラックスしたジャズ/フュージョン風味は、ラテン風味の自然な延長上と見るべきだろう。 5 曲目のギタリストのソロ・アルバムからの作品は、ホーンが入るせいもあり、ややフュージョン・テイストが強まるのだが、大きな違和感はなく、全体にとけ込んでいるといえるだろう。 イメージとしては、メキシコの ICONOCLASTA をぐっと繊細に、ソフトにしたような感じである。
  リズミカルな曲調を支えるドラムが、元気のあまりやや安定を欠き、演奏をせわしなくしてしまっている面はあるものの、風と土の香りのする純朴さと 70 年代後半風のノスタルジックな音が素直に心にしみてくる佳作。 技術に余裕のあるアルゼンチンのグループのもつ洗練されたリリシズムとは異なる、独特の詩情が感じられる。 さすがに都会の喧騒を避け、自然の懐で想を練ったグループだけある。 ぜひオリジナル LP も聴いてみたいものです。

  「Remembering Apples Valley II」(5:10)
  「The Children Of The New World」(13:30) オリジナル LP の作品の再演。 オリジナルはヴォーカルが入ったが、ここではインストゥルメンタル。
  「Water」(6:22)
  「The Hermit」(11:13)
  「Himalaia」(12:54) フェルナンド・パチェコのソロ作より。
  「Seeds Of Light」(3:38)

(PRW 010)

 Recondando O Vale Das Masas 1977-1982

 

  2002 年発表のアルバム「Recondando O Vale Das Masas 1977-1982」。 ついに再発されたオリジナル LP バージョンの第一作。 ボーナスに 82 年のシングルを 2 曲。 基本的に、カラフルでたおやかなフォーク・ロックであり、再発 CD に収録された「The Children Of The New World」の原曲のみが、シンフォニックな作品である。 ひょっとすると盤起こしかもしれません。

(RSLN 058)


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