元祖ワールド・ミュージック・ロック・グループ「JADE WARRIOR」。 68 年結成。 サウンドはデビューの VERTIGO 時代から一貫するエキゾチックな音を取り入れたサイケデリック・ロック。 80 年代後半、中心人物のトニー・デューイを亡くすも唯一のオリジナル・メンバー、ジョン・フィールドが新メンバーとともに現役を続ける。 グループ名は「サムライ」の意。 2008 年グリン・ハヴァードが復帰した新譜「Now」を発表。 なぜか分かりませんが、個人的にこのグループはとても相性がいいです。
| Tony Duhig | Guitars |
| Jon Field | Percussion, Flutes |
| Glyn Havard | Bass, Vocals |
71 年発表の第一作「Jade Warrior」。
サイケデリック・ロックにオリエンタル、アフロなどのワールド・ミュージック的要素をいち早くとり入れたデビュー作。
冷ややかで幻惑的な雰囲気がすばらしい。
ファズ・ギターがけたたましく轟くアンダー・グラウンドなヘヴィ・ロックに、さまざまなパーカッションとフルートを加えてエキゾチックなメロディを綴る作風は、きわめてユニークだ。
残響音が深くこだまするアコースティック・ナンバーは、荒野を吹き抜ける風のような寒々しさからもの静かな達観の憂いまで多様な情感を秘め、想像力を刺激する。
エキゾチズムを極めつつもブリティッシュ・ロックらしいユーモアや脱力感をもつところがおもしろい。
さて多国籍性は次第に無国籍性へと近接し、遂には完全に架空の世界の BGM のような呪術的かつ摩訶不思議なものへと到達する。
アイデンティティを求めてさ迷う旅人の哀しさが注ぎ込まれたサウンドの向こうには、いい知れぬ無常感と静かな諦念が見える。
このなんとも言葉すら失うような瞬間に自己を成り立たせるために、東洋の騎士道へと則ろうと考えたに違いない。
後のニューエイジ・ミュージックと異なるのはムード優先のエピキュリアン的ヒーリング・サウンドでは全くなく、あくまでロックらしい反骨心と運動能力を持っていることだろう。
時おり見せるストレートなジャズ、ブルーズ・ロックのプレイでは、各メンバーとも見事な腕前を見せている。
パーカッションの空ろな響きとフルートの透き通るような音色、そしてかき鳴らされるギターがおりなす隙間だらけのサウンドが、スピリチュアルな世界へと誘う。
これだけ音が薄いのにちゃんとうねりのあるロックになっているのだ。
凄い。
各曲も鑑賞予定。
LINE の CD はリマスター時のミスで左右のチャネルが反対になっているところがあるそうです。
BACKGROUND 版では修正されているとのこと。
「The Traveller」(2:40)
「A Prenormal Day At Brighton」(2:45)
「Masai Morning」(6:44)
「Wind Weaver」(3:43)
「Dragonfly Day」(7:45)
「Petuna」(4:46)
「Telephone Girl」(4:54)
「Psychiatric Sergeant」(3:08)
「Slow Ride」(2:36)
「Sundial Song」(5:08)
(LICD 9.00548 O)
| Tony Duhig | Guitars |
| Glyn Havard | Bass, Vocals |
| Jon Field | Percussion, Congas, Flute |
| guest: | |
|---|---|
| Dave Conners | Tenor & Alto Sax, Flute |
| Allan Price | Drums |
72 年発表の第二作「Released」。
ドラムスとサックスをゲストに迎え、さらに豊穣にパワー・アップしたエスニック・ロックを繰り広げる好作品。
ドラム加入によってダイナミックなリズムが確保され、サックスとギター、フルートのユニゾンによってメロディ・パートも厚くなり、演奏に圧倒的なパワーがみなぎっている。
リフでドライヴする力強い演奏に、ファースト・アルバムで見せた独特のエスニック・ビートとサイケな音色がからみあい、いわばエスニック・ハードロックとでもいうべきものができあがっている。
そして、このスタイルの中心となるのは、縦横無尽に駆け巡るデューイのサイケデリック・ギターだ。
1 曲目は、パーカッションやサックスが SANTANA を思わせるラテン風味たっぷりのハードロック。
パーカッションの生み出す荒々しくもきめ細かいビートがすばらしく気持ちいい。
フルートが激しく舞う作品ではラテン版 JETHRO TULL のようなイメージも出てくる。
またハードなサウンドの出現とともバラード・ナンバーの味わいもくっきりと浮かび上がり、リリカルなギター、フルートが深い味わいの音を出している。
4 曲目のようなジャズ・テイストはいかにもこの時代のブリティッシュ・ロックらしいプログレッシヴなアプローチだ。
そして 7 曲目の大作はヒプノティックなパーカッションのビートでギターとサックス、フルートが奔放に跳ね回る永遠のエスノ・サイケ・ロック。
前作の薄墨のようなエスニック・トーンをやや変化させ、タイトで強烈なビート感を強調したサイケデリック・ハードロックの傑作。
個人的にはベストです。
アメリカでもかなりヒットしたようです。
各曲も鑑賞予定。
LINE の CD ジャケットはオリジナル LP とは異なる。(一部拡大か)
「Three-Horned Dragon King」(6:09)
パーカッション、ヘヴィなギター・リフ、サックスをフィーチュアしたラテン・テイスト濃厚なハードロック。
「Eyes On You」(3:05)フルートをフィーチュアしたシンプルなリフが特徴的なハードロック。
イタリアン・ロック風のヘヴィ・チューンである。
「Bride of Summer」(3:19)リコーダーのようにさえずるフルート、アコースティック・ギターが穏やかに伴奏する、夢見るようなバラード。
後半のエレキギターもアタックのない管楽器のような音になっている。
「Water Curtain Cave」(6:28)フルート、サックスをフィーチュアしたクールな 8 分の 6 拍子のジャズロック。
中間部はエキゾチックかつ幻想的なイメージのフリー・フォーム空間。
「Minnamoto's Dream」(5:30)ワイルドなギターが暴れ回る即興風の勢い一発ナンバー。
それにしてもものすごいタイトルです。
「We Have Reason To Believe」(3:50)WHO か KINKS のようなヘヴィかつシンプルなロックンロール。
「Barazinbar」(15:00)パーカッションを多用した催眠術のような作品。
終盤のクライマックスに向けて長い坂道を登ってゆく。
本来のこのグループらしさの出た作品であり、後にも続いてゆく作風である。
インストゥルメンタル。
「Yellow Eyes」(2:51)フルート、アコースティック・ギター伴奏による、けだるいバラード。
(LICD 9.00550 O)
| Tony Duhig | Guitars, Bass |
| Glyn Havard | Bass, Acoustic guitar, Vocals |
| Jon Field | Concert & Alto flute, Acoustic guitar, Percussion, Congas, Tabula, Talking drums, Piano |
| guest: | |
|---|---|
| David Duhig | Guitars |
| Allan Price | Drums |
72 年発表の第三作「Last Autumn's Dream」。
グループ名通り「サムライ」の姿が描かれた、和洋折衷の奇妙なジャケットが印象的な作品。
トニー・デューイの弟デヴィッドがギタリストとしてゲスト参加している。
デューイ兄弟による切れのいいファズ・ギターは、本作の売りの一つだ。
サウンドは、前二作が折衷されるも、やや第一作寄りに戻ったようなエキゾチックなもの。
第一作と同じ謎めいた空気に、ほんのりセンチメンタルな情感を漂わせる作風に、第二作のエスノ・ハードロック色がアクセントとして加えられている。
コンガやタブラの音が漂い、フルートが舞うアコースティックな音世界には、現世からの隔絶された独特の清潔感があり、まさしくスピリチュアルというべきムードにあふれている。
まるで尺八のような音で空気を静かに切り裂くフルートには、確かに、いわゆる西欧世界とは距離を感じさせる(ひょっとすると我々には近いかもしれない)響きがある。
ワイルドに吠え立てるような調子もあるのだが、際立つのはやはり「音の隙間」である。
そして、音楽的な多彩さは目を見張るものがあり、7 曲目におけるエスニックでゆったりとしたメロディ・ラインがシャープなジャズ/ロックに切り換わってゆくスリルのような仕掛けも怠りない。
5 曲目も CRIMSON の「Sailor's Tale」を凌駕するラウドにして叙情的なギター・ロックである。
また、エンディング・ナンバーは 3 分弱の小品だが、ジョージ・マーティン風のストリングスをフィーチュアしたスケールの大きなインストゥルメンタルである。
フルートをフィーチュアしたアコースティックな作品に、早やニューエイジ的なフィーリングがあるのも興味深いところだ。
この手の曲は、おそらく最初期のアンビエント・ミュージックといえるだろう。
本作に続いて「Eclipse」、「Fifth Element」(元々両者を合わせて二枚組となる予定であった) が録音されるもテストプレスに留まり(一部の作品は 79 年のアンソロジー「Reflections」で発表される)、アメリカでの活動にも失敗したグループは一旦解散する。
したがって本作が VERTIGO レーベルからの最後の作品となった。
各曲も鑑賞予定。
全体に、ポップ・フィーリングのある、とても雰囲気のよくできた好アルバムです。
「A Winter's Tale」(5:06)
「Snake」(2:55)
「Dark River」(6:26)
「Joanne」(2:50)
「Obedience」(3:12)
「Morning Hymn」(3:36)
「May Queen」(5:22)
「The Demon Trucker」(2:34)
「Lady Of The Lake」(3:17)
「Borne On The Solar Wind」(3:02)
(LICD 9.00563 O)
| Jon Field | Gaelic Harp, Gong, Glockelspiel, Vibes, Alto & Concerto & Japanese fulte |
| Conga, Bell Tree, African Talking Drum, Cello, Piano, Organ, Acoustic Guitar | |
| Tony Duhig | Electric & Acoustic Guitar, Bass, Piano, Glockelspiel, Organ, Vibes |
| guest: | |
|---|---|
| Coldridge Goode | String Bass on 2 |
| Chris Carran | Drums on 1,2 |
| Graham Deacon | Drums on 4 |
| David Duhig | Guitar on 8 |
| Skaila Kanga | Harp on 9 |
| Martha Mdenge | Spoken Words on 10 |
74 年発表の第四作「Floating World」。
74 年にフィールドとデューイによってグループは再編、ISLAND レーベルへと移る。
その第一作の内容は、ほぼ前作の路線の踏襲であるエスニック・ロック。
空ろなフルートを中心とした薄墨を流したようなアンビエントなサウンドに、突如けたたましいサイケ・ギターが突き刺さる、謎めいた世界である。
ぼんやりとした音の霞の向こうから、胸に迫る美しい旋律が湧き上がる不思議さは、このグループならでは。
その旋律がなんとも形容し難いものであり、強いていうならばハワイアンやアフロなのだが、どこでもない場所で鳴り響くメロディなのかもしれないと考えた方が、このグループには似合っている。
BGM 化しないのは、ビートやリズムに対するセンスのおかげであり、実際ヴァイブやコンガなどパーカッション系の音を非常に巧みに用いている。
ジャジーでグルーヴィな演奏やヘヴィ・ロックも難なくこなしそうだ。
かき鳴らされるアコースティック・ギターとともにストラヴィンスキーを思わせるフルートのテーマが流れ始める頃には、すっかりこの音の世界の虜となっているはず。
個性という意味では、完全に孤高の境地。
ジョン・フィールドという人がどのような音楽的なバックグラウンドをもつのか、全く想像がつきません。
エンディングはリヒャルト・シュトラウスの名曲。
印象的なジャケットは、富士山に腰掛けた侍が近代化した日本を眺めている様子のようです。
プロデュースは、フィールドとデューイ。
「Clouds」(2:52)
「Mountain Of Fruits And Flowers」(3:16)
「Waterfall」(5:38)
「Red Lotus」(4:31)
「Clouds」(1:25)
「Rainflower」(2:44)
「Easty」(5:23)
「Monkey Chant」(2:24)
「Memories Of A Distant Sea」(5:07)
「Quba」(2:44)
(ILPS 9290 / CRNCD8/524 139-2)
| Jon Field | Percussion, Flute |
| Tony Duhig | Guitars, Percussion |
| guest: | |
|---|---|
| Steve Winwood | Moog, Piano |
| David Duhig | Guitar |
| Graham Morgan | Drums |
| Maggie Thomas | Alto recorder |
| Suzi | Vocals(Whale theme) |
75 年発表の第五作「Waves」。
ISLAND レーベルからの第二作目。
タイトル作 1 曲のみという大胆な構成だが、演奏はオムニバス形式に小さい楽章のようなものに分かれているので、今までの作品と何ら違いなく聴くことができる。
アンビエントなサウンド・スケープにヘヴィ・サイケ・ギターやジャズなど大胆な演奏をからめる作風にも大きな変化はない。
ただし、ジャケットからイメージされるようなオリエンタルなエキゾチズムはさほど現れず、静かで穏やかな、いわゆる「ニューエイジ」風味が基調である。
フィールドによるデリケートなフルート(メロトロンに近い味わいあり)と竪琴のようなギターは、微風にまかせて揺れ動くような絶妙のニュアンスを見せている。
その柔らかくさざめく流れの表面をかき乱すように、あたかもブラスのように(オクターヴァだろうか)深くこだまするファズ・ギターのアクセントもいい感じだ。
スティーヴ・ウィンウッドのピアノやウッドベースによるジャジーな演奏が、奇妙な揺らぎをもって感じられるのは、誰もいないはずの場所へいきなり人間が現れたせいだろう。
ここでも、フルートの鮮やかな舞を初め、演奏はキレのあるみごとなものだ。
2 曲目中盤では、ウィンウッドのムーグ・ソロをフィーチュアしたファンクっぽい展開もあるのだが、これが実は、その後の透明感あふれるフルートを際立たせるアテ馬だったりする。
そのフルートに導かれて悠然と広がってゆく終盤は、なかなか感動的だ。
さて、オープニングとエンディングには不思議な電子処理を施された音が、深海から立ち上る巨大な気泡のように、轟々と湧き上がってくる。
クレジットから想像するに、おそらくこれが鯨の歌なのだろう。
プロデュースは、フィールドとデューイ。
エンジニアは、盟友トム・ニューマン。
ジャケットは前作同系のジャポネスク路線だが、北斎の波の向こうには摩天楼が霞んでいる。
「Waves Part 1」(19:14)
「Waves Part 2」(23:32)
(ILPS 9318 / CRNCD8/524 139-2)
| Jon Field | All instruments |
| Tony Duhig | All instruments |
| guest: | |
|---|---|
| Brass section | |
| String section |
76 年発表の第六作「Kites」。
ISLAND レーベルからの第三作目。
管絃を大きくフィーチュアした前半 5 曲は、ジョン・フィールド・サイドと称し、「空の王国」にまつわる組曲を構成する。
フィールドのフルートを弦楽やエレクトリック・キーボードが支え、アンビエントかつシンフォニックな独特の世界を繰り広げる。
特に、弦楽器の存在が新鮮だ。
スペイシーなワールド・ミュージック調を基本とするも、わななくようなギターによるサイケデリック・テイスト、エレクトリック・ピアノのアドリヴによるジャジーな展開など、音楽は奔放に広がりを見せる。
一方後半は、SAMURAI サイドと称し、トニー・デューイの嗜好である武士道や禅を織り込んだ、得意の「薄暗い霞みのような」アンビエント・ミュージック。
従来の路線であり、思い切って「洋風雅楽」といってしまっていい内容だ。
和音中心のエレクトリック・ギターの使い方は、かなり独創的である。
この後半でも弦楽が活かされており、ヴァイオリン奏者としてフレッド・フリス、ジョー・オドネルといった著名ミュージシャンらのサポートも仰いでいる。
プロデュースは、フィールドとデューイ。
エンジニアは、盟友トム・ニューマン。
雰囲気のよくできた傑作といえるでしょう。
(ILPS 9393 / CRNCD8/524 139-2)
| Jon Field | Flutes, Electric Wind Instrument, Percussion, Keyboards |
| Colin Henson | Electric & Acoustic & MIDI Guitar, Keyboards |
| Dave Sturt | Fretless Bass, Percussion, Keyboards |
92 年発表のアルバム「Breathing The Storm」。
内容は、透明感漂う優美なフルートを中心に繰り広げられる、包容力のあるニューエイジ・サウンド。
神秘的なヴォカリーズと竪琴のような MIDI ギター、そして、全てを包み込むようなシンセサイザーが織り成す幻想世界に、管楽器のふくよかなメロディが響き渡る。
オーケストラのようなスケール感をもちながら、オーケストラにはない描き方で、浮かび漂うような、深くかそけく緩やかな世界が描かれている。
むしろ、きわめて自然に抑制された音空間という点で、バッハや現代音楽の無伴奏器楽作品から運動性と緊張感を取り除いたような感じである。
フレットレス・ベースの心地よい律動には、ジャズ・フュージョン・テイストもあリ、雄大なシンセサイザーと美しいロングトーン・ギターのコンビネーションは、シンフォニック・ロック的な高まりも生み出している。まどろみを誘うギターのロングトーンには、ロバート・フリップ氏のソロ作品を重ねることもできる。
そして、特筆すべきは、管楽器担当のジョン・フィールドのみごとな表現力だろう。
なめらかに歌うような調子と空ろにしてまろみを帯びた音色には、いわくいい難い魅力がある。
全体に、エレクトリックな音でさえ楽器の生音の響きから出発したものというイメージを醸し出しており、その点に、トム・ニューマンやマイク・オールドフィールドらとともに立つ、元祖ニューエイジ組らしさが現れている。
サイケデリックなワールド・ミュージック路線の追求から、現代的なヒーリング・サウンドの境地へと到達した作品。
凡百のヒーリング・ミュージックにないこの独特の味わいを、ロックというバックボーンをしっかりと携えてきたキャリアに帰するのは、あまりにうがち過ぎだろうか。
なお、本作品は、急逝したトニー・デューイに捧げられている。
各曲も鑑賞予定。
「Gaia」(3:41)
「Breathing The Storm」(7:03)
「Over Ice and Water」(6:30)
「Gift Of Wings」(2:33)
「Songs Of the Air」(2:23)
「Memory Of the Deep」(10:09)
「Reflecting Stars」(3:01)
「Asa No Kiri」(4:39)
「Circle of Wisdom」(8:40)
(CDR 105)
| Jon Field | Flutes, EWI, Congas |
| Colin Henson | Guitars |
| Dave Sturt | Fretless Bass |
| guest: | |
|---|---|
| David Cross, Andy Aitchison | Electric violin |
| Theo Travis | Soprano & Tenor sax |
| Gowan Turnbell | Bass clarinet |
| John Evans | Flugel horn |
| Carol Bellingham, Tracy Bauckham, Glenda Fish | Choir |
| Christie Williams, Tom Newman | Choir |
| Carol Bellingham | Solo voice, Snake choir |
| Russel Roberts | Drums |
| Rikki & Eduardo of WACKO PACKO | Percussion |
| Chris Ingham | Keyboards |
93 年発表のアルバム「Distant Echoes」。
内容は、エキゾティック(ややラテン寄り)かつサイケデリックかつジャジーなニューエイジ・ミュージック。
もっとも、「ニューエイジ」というキーワードは、このグループの音楽性に世間が追いついてできた言葉なので、失礼を覚悟で使わねばならない。
つまり、20 年以上経っても、基本路線に変更はないのである。
前作よりも、抑制を解き放つようなリラックスした感じのダイナミズムがあり、メロディアスなフルートを主役にした清潔感のあるサウンドによる、神秘的ながらも多彩な曲調を楽しめる。
つまり、前作で見せた NHK 好みの「自然のアルバム」路線も維持しつつ、よりリズムとエレキギターを強調し、今風の音には欠かせないフュージョン・タッチも現れている。
したがって、おだやかな「癒し系」ながらも溌剌としたエネルギーが感じられる。
演奏は、主としてフルート、ギターがリード、管弦楽器がアクセントをつける。
グルーヴィなビートの源泉は、フレットレス・ベースと細やかな打撃を見せるドラムス。
初期からそうなのだが、キーボードを使いすぎないところが、このグループの音楽の独自性を支えているように思う。
スキャットを除いて全曲インストゥルメンタル。
レーベル・メイトである元 KING CRIMSON のデヴィッド・クロスがゲスト参加、要所で特徴的なエレクトリック・ヴァイオリンを奏でている。
ADIEMUS と比べると、こちらは格段にプログレッシヴ・ロック。傑作。
1 曲目「Evocation」(1:46)70 年代初期から変わらない個性的な作風を大胆に提示する鮮やかなオープニング。
KING CRIMSON そのもののようなデヴィッド・クロスがカッコいい。
2 曲目「Into The Sunlight」(8:01)ラテン・ポップス調の華やかなジャズロック。何気なく 7 拍子。
グルーヴィでバランスの取れた演奏に、フルートによるブリッジなどこのグループらしさを存分に出したひねりを効かせている。
クールなフルートはもちろんのこと、アラン・ホールズワースを意識したようななめらかなギターもみごとです。
3 曲目「Calling The Wind」(4:39)
4 曲目「Snake Goddes」(4:11)
5 曲目「Timeless Journey」(3:26)
6 曲目「Night Of The Shamen」(7:35)NHK で使ってました。
7 曲目「Standing Stone」(6:11)
8 曲目「Village Dance」(6:47)
9 曲目「Spirits Of The Water」(7:15)
(CDR 106)