イタリアのプログレッシヴ・ロック・グループ「EZRA WINSTON」。 85 年結成。 作品は二枚。 90 年代シンフォニック・ロック・リヴァイヴァルを代表するグループの一つ。
| Mauro DI Donato | synths, sampler, electric piano, bass, contra bass, acoustic guitars, vocals |
| Fabio Palmieri | electric & acoustic & classical & 12 strings guitars |
| Paolo Lucini | flute, piccolo, tenor & soprano sax |
| Daniele Lacono | drums, percussion |
| guest: | |
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| Aldo Tagliapietra | bass & vocals on 3 |
90 年発表の第二作「Ancient Afternoon」。
内容は、バッハの管弦楽組曲からヘンデルの合奏協奏曲までを連想させる、馥郁たるヨーロピアン・ロマンチシズムに満ちた叙情派クラシカル・ロック。
GENESIS の最上の部分を思わせる、メロディアスかつエレガントなバンド演奏に、管楽器を含めたオーケストラによるクラシカル・テイストと、まろやかでジャジーなセンスを持ち込んだ、きわめてぜいたくなロックである。
おおざっぱにいえば、P.F.M や MAXOPHONE を耳にしたときと同じ感動のある音といってよく、さらにそこへ、モダンなサウンドによる洗練度合いを加味した内容である。
演奏をリードするギターのプレイには、繊細かつ多彩な表現とともに流れを作り出してゆく力があり、丹念なリズム・セクションと相まって、澱みなくストーリーをドライヴしてゆく。
また、アコースティック・ギター、フルート、ソプラノ・サックス(オーボエの可能性もあり)を主に、アコースティックな音の使い方も心憎いばかりである。
エレクトリック・キーボードによる奥深い音の層にくっきりと浮かび上がってさえずる管楽器の調べや、竪琴を思わせる生ギターのアルペジオには、何ものにも代えがたい味わいがある。
全体として、クラシカルな構築性/サウンドとダイナミズムが、絶妙の均衡で配合されているのだ。
ヴォーカル・ハーモニーを加えた全体のイメージは、GENESIS よりも、アンソニー・フィリップスの初期ソロ作に近いかもしれない。
たおやかで、優美で、儚いのだ。
しかし、そういうサウンドながらも、ニューエイジ/ヒーリング・ミュージック風のステレオ・タイプ然としないのは、基本的な演奏力と丁寧なアレンジのおかげだろう。
泡沫の夢の如く、透けてしまいそうなほど繊細で夢見るような雰囲気の中に、かげろうが舞うような優雅な運動性と、物語に欠かせぬしなやかな流れがある。
たとえば、長大なタイトル組曲の、気まぐれ風にしてとどまることを知らない展開には、往年の一流グループに勝るとも劣らない趣がある。
90 年代プログレ・リバイバルの口火を切った作品の一つであるとともに、最高峰の一つでもあり、後続でこの地平にたどりついているグループは、ほとんどない。
まさに、孤高のネオ・プログレッシヴ・ロックの傑作である。
これ以上にハマる選択はあり得ないというゲストとして、LE ORME のアルド・タリアピエトラが参加。
ヴォーカルは英語。
ジャケット写真は、左がオリジナル LP、右が再発 CD。
「The Painter And The King」(10:05)
「Verge Of Suicide」(9:04)
「Night-Storm」(6:07)
「Ancient Afternoon Of An Unknown Town」(26:05)キーボードも活躍する超大作。
「Shades Of Grey」(4:15)再発 CD ボーナス・トラック。
(RSLN 053)