DIFFERENCES

  オランダのプログレッシヴ・ロック・グループ「DIFFERENCES」。作品は二枚。CAMELGENESIS 系のライトでメロディアスなシンフォニック・ロック。

 The Voyage

 
Ardie Westdijk keyboards, backing vocals
Aad v.d. Valk bass pedals, harmonica, lead vocals on 6, backing vocals
Gerard Lock drums, percussion, backing vocals
Arjen Westdijk guitars, lead vocals

  82 年発表のアルバム「The Voyage」。 録音は 79 年に終わっていたそうだ。 内容は、GENESIS 流の流麗な(ときに不器用なヘヴィさも見せる)ギターと、分厚く背景を彩るキーボードをフィーチュアした、典型的なヨーロピアン・メロディアス・ロックである。 全編、ファンタジックかつロマンティックなムードで貫かれている。 注目するようなテクニカルなプレイはないのだが、ギターもキーボードも、シングル・トーンのフレーズをさまざまな表情でしっかりと歌い上げており、その歌による流れが確実に伝わってくる。 2 曲目の音作りに象徴されるように、メローでキャッチーだがポップ過ぎるということはなく、ヘヴィな音と夢見るような雰囲気の切りかえや、リズム・チェンジによる変化のつけ方も巧みである。 キリキリ舞いするようなアンサンブルから、ふと牧歌的な雰囲気へと落ちつくところなど、まるで YES のような鮮やかさである。 そして、アコースティック 12 弦ギターを用いた美しい演奏もある。 全体にゆったりと流れてゆくわりには、小気味がいい。 その源は、シンプルながらも切れのいいリズム・セクションだろう。 英語のヴォーカルは、オランダのグループらしく、きわめて素朴な明るさをもち、優しげで人懐こい。 ソフトなハーモニーもあり。 トータルでは、ギターの活躍で全体が引っ張られている内容といえる。 KAYAK のような華やかさはないが、スウィートなのにメランコリックなメロディ・ラインには、オランダものらしい感傷的な魅力があふれている。
   B 面 1 曲目は、ストリングスとヴォーカル・ハーモニーが ELO を思わせるも、中盤からは、キーボードがシンフォニックに盛り上げてゆく。 B 面最後から 2 曲目は 15 分を超えるスペイシーで劇的な大作。 アマチュア風であり、ふんわりとした薄味タイプなので見過ごしがちだが、70 年代終盤の空気をしっかりととらえた、なかなかの好作品だ。
   プロデュースはグループとピーター・ニーベー。 ジャケットのロゴも、なんとなくホワイトヘッド画伯のものを連想させる。 ギタリストとキーボーディストは兄弟ですかね。

  「Helix Harmony
  「Asgarith's Song
  「True Or False
  「The Voyage
  「Daily Things
  「Battle Of Somme
  「The Melody
  「5 O'Clock
  
(FRIZZBEE 7)


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