カナダのプログレッシヴ・ロック・グループ「CONVENTUM」。 RIO カナダ代表。作品は二枚。カナダ前衛音楽シーンのキーとなるグループ。ギタリスト、ルネ・ルーシェはソロでも活躍。
| Jean-Pierre Bouchard | acoustic guitar, tenor recorder |
| Bernard Cormier | violin, metallophone |
| Andre Duchesne | classic guitar, vocals | Charles Kaczynski | violin, viola, cello |
| Jacques Laurin | bass, contrabass |
| Rene Lussier | guitars, 12 strin, mandolin |
| Alain-Arthur Painchaud | narrator |
| Michel Therrien | alto sax, oboe |
77 年発表のアルバム「A L'affut D'un Complot」。
クラシカルなアンサンブルの妙味、溌剌と弾ける素朴なエネルギー、ユーモアと愛らしさ、アヴァンギャルドなセンス、すべてがとけあいクリアーなトーンでまとめられた、チェンバー・ミュージックの大傑作。
アコースティック・ギターやヴァイオリンなど弦楽器を主体としたキレのいいアコースティック・アンサンブルにシアトリカルなフランス語ヴォーカルが重なれば、ほとんど「アンプラグド ANGE」状態である。
もっとも、演奏そのものはロックというよりはトラディショナル・フォークと室内楽の交ざりあった、あまり他に例を見ないものである。
そして、おもしろいことにジャズ風の音使いはない。
アンサンブル主導の演奏であり、ギターとヴァイオリン、オーボエらの旋律が綾なす明快で立体的な音の構築物を愛で楽しむことができる。
フランスに MUSEA が発掘した NOETRA というグループがいるが、演奏スタイルはこのグループからジャズ・タッチを取りのぞいた感じである。
RIO といいつつも後期の HENRY COW や UNIVERS ZERO のような険しさと破壊的な面が強調された作風ではなく(もちろんアンサンブルの作りは綿密で厳格ではあるが)、不協和音や変拍子もさほどではない。
だからといって、雰囲気に頼りっ放しのヘタウマ素人サロン系の音でもない。
楽器の豊かで素直な音色を自然な抑揚で活かした演奏であり、口ずさめるほどにテーマはアクセスしやすく、アンサンブルは心地よくリスナーを桃源郷へと運んでゆく。
明暗/陰影も音の流れの中で澱みなく描かれ、表情は常にチャーミングにしてほのかに神秘的である。
そして、凝り性とあっけらかんとした小気味よさが共存するところは、かなり MIKE OLDFIELD に近い。
最終曲「La Ronde」を待つまでもなく、相当影響を受けていることが分かる。
とにもかくにも、丹念なアンサンブルと腫れぼったく調子っ外れなフレンチ・ヴォイスによるモノローグ風の歌唱やアジテーションが、なんというかこれ以上無い感じでうまく調和しているのだ。
ドラムレスのいわゆる室内楽的な編成ながらも、一番イメージが共通するのは英国プログレである。
おそらく無比の個性を突出させながらもポップな聴き心地があるところが、そう思わせるのでしょう。
この作風は、同国の MIRIODOR が継承している。
PROG QUEBEC からの再発 CD には 77 年のライヴ録音である 7 曲のボーナス・トラックがつく。
(TAM-27011 / MPM 112)