AREA

  イタリアのジャズロック・グループ「AREA」。 72 年デメトリオ・ストラトスを中心に結成。 六枚のアルバムを発表するが、79 年ストラトスが亡くなり、80 年の最終作で解散。 97 年、パトリツィオ・ファリセリらを中心に再結成、アルバムを発表。 卓越した器楽アンサンブルと非西欧的な伝統唱法を会得した天才ギリシャ人デメトリオ・ストラトスのヴォーカル・パフォーマンスによる、地中海エキゾチズムあふれる実験的ジャズロック。 テクニカルにして大胆不敵な不世出のグループである。

Arbeit Macht Frei

 
Giulio Capiozzo drums, percussion
Patrizio Fariselli piano, electric piano
Patrick Djivas bass, contrabass
Paolo Tofani guitar, synthesizer, flute
Edouard Busnello winds
Demetrio Stratos vocals, organ, percussion

  73 年発表の第一作「Arbeit Macht Frei」。 KING CRIMSON と同じく、第一作にして、一体感あるハイパー・テンションのパフォーマンスが完成されている。 演奏は、すべてのプレイがフル・スピードで駆け出すように追いつ追われつ、時には横一線に並んで驀進する途方もないものである。 そして圧巻はヴォーカル。(ファラオ・サンダースの傑作におけるレオン・トーマスのスキャットを思い出す方もいるはず) アヴァンギャルドなんてデタラメをカッコよくいってるだけだろうと思ってる僕にとっては、かなりの衝撃である。 この音楽を、どんな風に表現すればよいのだろう。 ジャズロックというべき演奏に、言葉を噛み潰すほどにエネルギッシュな色気を放つヴォーカルが加わることによって、音楽の範疇などは軽くぶっ飛ばした根源的なものを血を吐くように訴える音楽になっている。 これがアヴァンギャルドだとすると、随分汗臭くて艶のある世界だが、その方が僕もすすんで認識を改めようかという気になる。
  ソロ、インタープレイ、テクニカルなリズム・セクションなど、いわゆるジャズロックの手法は確かにある。 しかし、エキゾチックなメロディや破裂寸前の即興、ヴォーカルと器楽との緊張感ある応酬など、最初から最後まで安易なジャンル分けを寄せつけないギラギラしたパワーに満ちている。 命がけという言葉がピッタリの内容だ。

  1 曲目「Luglio, Agosto, Settembre(nero)(7月、8月、9月(黒))」(4:27) オープニングのエジプト語による女性のモノローグと祝詞の如きヴォーカル・メロディ、そして切れ味ある変拍子リフなど全編をおおうエスニックなトーンが、強烈な印象を残すジャズロック・チューン。 力強さとスピード感を併せ持ったアンサンブル、そして存在感抜群のヴォーカルに驚愕。 民族色たっぷりの管楽器による 16 分の 15、16 分の 14 という変拍子を用いたコール・レスポンス風のリフで、ぐいぐいと攻め立て、中間部の即興を経てスピード/トルク全開で疾走する。 ムーグは異国の管楽器と化し、サックスとともに演奏をリードして渦を巻くようなインプロヴィゼーションへと突っ込んでゆく。 すさまじいインパクトの序章である。 エスニック・ジャズロックの名作。

  2 曲目「Arbeit Macht Frei(自由の叫び)」(7:56) オープニングは、すさまじい手数のドラムス乱れ撃ちによる謎めいた即興演奏。 ベースや電気ノイズ、サックスによる演奏が次第に形を作り始め、フルートの乱れ吹きとスティール・ドラムスの如きエレピを経て、サックスが主導権を握る。 一気に立ち上がるアンサンブルは、またしても切れ味いい快速ジャズロック。 まずはベースのリフ、エレピのバッキングで CRIMSON のメル・コリンズを思わせるサックス・ソロ。 ギターが積極的にサックスへ反応する。 テンポ・ダウンとともに示されるブルージーなリフは、NUCLEUSSOFT MACHINE を思わせる。 後半で、ようやくストラトスのヴォーカル登場。 あまりに不気味な「しな」、こぶし、いななきと、止めを刺すように異様な迫力である。 目まぐるしく変化する演奏は、変拍子ユニゾンを経て、チープな音色のシンセサイザー・ソロへと過激に進む。 いわゆるジャズロックを力任せに捻じ曲げたようなヘヴィ・チューン。 自由奔放ながらも、アンサンブルの重み、スピード感ともに満点。 DEUS EX MACHINA のお手本でしょう。

  3 曲目「Consapevolezza(自覚)」(6:06) サックスとムーグをフィーチュアしたシャープなオープニングから、ノイジーなシンセサイザーのテーマを経て、ギター、オルガン伴奏によるハードなジャズロックへとなだれこむ。 ヴォーカルが、異様なパワーを発揮。 リズムはバウンスするが、ギターやオルガンはきわめてハードロック的。 オルガンとサックスによる舌をかみそうなユニゾンをきっかけに、ゆるやかでメロディアスなサックス・ソロ。 ジャジーな空気が出現するも、手数の多いドラムスによるリズムは重い。 再びヴォーカルとオルガン、ギターの変拍子リフがハードな演奏へとゆり戻し、遂にはサックスが高らかにうたう。
  ハードな歌ものジャズロック。 おちついたミドルテンポが一層迫力を感じさせる。 聴きやすさでは、このアルバムでは一番か。

  4 曲目「Le Labbra Del Tempo(時間の唇)」(6:00)。 ビッグ・バンド風のブラスがブレイクしながら繰り返される、挑発的なイントロダクション。 エフェクトでおぼれそうなシンセサイザーの伴奏で、ヴォーカルが始まる。 ヴォーカルをなぞるソプラノ・サックスが美しい。 エレピが軽やかにコードを刻むと、一気にリズムが高まる。 ていねいに刻むかと思えばヴォーカルを追い立てるように挑発的な 7 拍子のパターンでオブリガートする。 一転 8 分の 6 拍子でベースがリフを刻み、エレピ・ソロ。 ジャジーである。 あおりたてるようなシンバルの応酬。 ドラムス、ベース、エレピが呼吸のよい緩急自在のアンサンブルを見せる。 ノイジーな決め。 ブレイク。 神秘的なシンセサイザーの響き。 幻想的な音響空間の出現。 そして朗々と歌い上げるヴォーカル。 エコーが残る。 遠吠えは、再びテクニカルなアンサンブルを呼び覚まし、ハイ・テンションの演奏がどんどん駆け上がってゆく。
  静動・緩急さまざまな場面変化に富む作品。 メロディアスなヴォーカル・パートを、器楽の方が必死にあおりたてる。 即興風ながらもアンサンブルは、立ち上がりも反応もよく、流れるように展開する。 テクニカルなユニゾンのカッコよさは、もはやいうまでもない。

  5 曲目「240 Chilometri Da Smirne(スミルネから 240 キロ)」(5:10)。 ノイジーなシンセサイザーによるおちつきのないイントロは、すぐにジャジーなサックス・ソロへと進む。 変拍子を刻む精密なリズム・セクション。 エレピは気まぐれな伴奏である。 サックスが狂おしく吹き上げ、エレピと鋭く反応しあう。 最初のクライマックス。 続いてベース・ソロ。 ドラムスのパターンは常に変化を繰り返し、目がくらむ。 続いてシンセサイザーとギターのインタープレイ。 それにしてもノイズのようなシンセサイザーである。 そしてサックスのテーマへ。
  ソロ回しに徹した、ストレートなジャズロック。 インストゥルメンタル。 本作においてはチューニングのような小品である。

  6 曲目「L'abbattimento Dello Zeppelin(ツェッペリン号の崩壊)」(6:45)。 再びシンセサイザーのノイズやフレーズの断片が飛び交うインプロヴィゼーションで始まる。 さらに中間部にもインプロ空間を持っており、全体に異様なムード。 ドラムスがリズムを刻み始めると一気に緊張が高まり、エレクトリックなアンサンブルが疾走し始める。 ところが爆音のようなシンセサイザーとスキャットで断ち切られると、リズムレスの無秩序な世界の始まりである。 再び様々なノイズとメロディの断片そしてヴォーカルのインプロの応酬が始まる。
  中間部のギターのリードによる疾走パートの迫力と、前後に配された前衛フリー空間の対比がすばらしい。 どんなに無秩序なフリー・フォームのプレイでも、いつ再び収束して走り出すかと思うとドキドキワクワクである。 後半のヴォーカルを含んだインプロヴィゼーションは、まさに一触即発。


  エキゾチックな旋律と大胆なインプロヴィゼーションを軸とした、超絶ハイテク・ジャズロック。 思いつくまま特徴を列挙すると、労働歌か民謡のような独特の節回しとスキャットがユニークなヴォーカル、地中海風と思われるエキゾチックなメロディ・ライン、緻密にしてつむじ風のようにスピーディでしなやかなプレイ、どこかけだるいような独特のフレージング、ヴォーカルと楽器が鋭敏に反応しあう迫力満点のインタープレイ、ダイナミクスの大きさ、破天荒な即興、などなど。 特に強烈な特徴をあげるならば、すさまじいリズム・セクションと異様な存在感を持つヴォーカルだろうか。 全体に、あたかも、精緻な装飾が施された半月刀のような演奏である。 訳詞を見ても歌詞がよくわからないため、政治的云々については何もいえないが、すばらしい音楽であるのは間違いない。 すべてのプログレッシヴ・ロック・ファンに推薦。 豪球一直線というグループは多々ありますが、このグループの音楽は内角えぐる 148Km のシュートです。 管楽器がフィーチュアされる演奏は、SOFT MACHINE のイタリア的発展形とも考えられる。

(CRAMPS CRS LP5101 / CRSCD001)

Caution Radiation Area

 
Giulio Capiozzo drums, percussion
Patrizio Fariselli piano, electric piano, bass clarinett, synthesizer
Ares Tavolazzi bass, contrabass, trombone
Paolo Tofani guitar, synthesizer, flute
Demetrio Stratos vocals, organ, cembalo, percussion

  74 年発表の第二作「Caution Radiation Area」。 管楽器奏者が脱退、ベーシストも P.F.M に移り、ダブル・ベースも操るアレス・タヴォラッツィと交代する。 本作では、電子音やノイズを起爆剤に、第一作でみせた壮絶な歌やジャズロックを解体するような試みが行われている。 1 曲目では、前作同様の汎地中海モードによる歌ものジャズロックを見せるのだが、それ以降は、不気味な電子音が散りばめられ、奇怪な世界が姿を現す。 それでも、ストラトスのヴォイス・パフォーマンス含めプレイそのものの切れは全く変わらない。 そして、即興演奏の凄みはさらに増している。 「ポピュラー音楽」の地平を模索しフリー・ジャズ、現代音楽に接近した作品といえるだろう。

  1 曲目「Cometa Rossa」(4:00) シンセサイザーによる中近東/アラビア風のぬめぬめとした音階がすべり出す、ミステリアスなオープニング。 ドラムスが入るとギター、シンセサイザー、ベースが一線となって、スピーディな変拍子リフで攻め立てる。 エレピ vs クラヴィネット、ギターの呼応を経て、再び激しい全体演奏へ。 轟くオルガン、再びシンセサイザーによるアラビア風のリフレイン。
  トレモロとともに地の底からストラトスの歌が湧き上ると、一気に世界は AREA のものである。 密やかな口調ながらもヨーデルのような不気味なヴィヴラートを繰返し、エキゾチックな色で染め上げてゆく。 つぶやくように唸るのは、ダブルベースのボウイングだろうか。
  フェード・インする全体演奏。 アラビックなかけあいを経て、ノイジーなオルガンの雄たけびとともに、ギリギリと緊張を高めてゆく。 断ち切られるようなエンディング。
  前作のオープニングを思い出させるバルカン・アラビア調のエスノ・ジャズロック。 スピーディな変拍子と粘りつくようなメロディ、そして、つんのめりそうな勢いをもつ演奏だ。 管絃楽器のニュアンスをシンセサイザーがみごとにカバーする。 すべてがパワフルで肉感的、そして理知的である。 ヴォーカルはギリシア語のようだ。

  2 曲目「ZYG(Crescita Zero)」(5:27) すべての音に電気処理を施したようなノイジーなサウンド・エフェクトが続くオープニング。 ねじれるような轟音、金属的な打撃音、不気味にざらつくヴォイス。 バスドラ、ハイハット連打からベースが地を這うようなリフを繰り出すと、ノイズを振りほどくように一気に演奏は走り出す。 ヘヴィなギターとエレピの転げ落ちるような勢いの応酬から、まずは、ワイルドなギター・ソロ。 キナ臭いリズム・セクションが 16 分の 15 拍子をドライヴするハイ・テンションの演奏だ。 タガが外れたように狂乱するギターとエレピ。 そして、クラヴィネットの短いアドリヴ。 一瞬のブレイクからピアノが重々しいリフを提示する。 ピアノを軸に、再び、ヘヴィな全体演奏へとまとまる。 ベースのリフがカッコいい。 ヘヴィなリフにシンセサイザーやトロンボーン、シンセサイザー、オルガンらが激しく食いつき絡みつく。 ピアノが力強くリフを示し、エレクトリックなノイズに対抗する。 高まる緊張と壮絶な加速、もつれるようなトゥッティから見得を切るような幕切れ。
  フリー・ジャズ的なジャズロック・インストゥルメンタル。 実験的なイントロに驚かされるも、序盤を経ると、疾走感あふれるデンジャラスなジャズロックへと進む。 フリー調の発散気味の演奏をアコースティック・ピアノでぐっと引き締めるアレンジがみごと。 前半及びピアノ以降の後半も、太く重いエレクトリック・ベースを中心とした轟々たる全体演奏がカッコいい。 エレピ、ギターともにソロはかなりハチャメチャ。 後半はピアノがベースをカヴァーし、タヴォラッツィはトロンボーンを演奏しているようだ。 終盤の盛り上がりは、CRIMSON の如し。 インストゥルメンタル。

  3 曲目「Brujo」(8:02) ギターとキーボードのユニゾンを中心に、全員が一線で駆け出すスリリングなオープニング。 そして一転スペイシーなフリー・フォームの即興へ。 ムーグの速弾きが挑発的に繰り返される。 ドラムスの連打、エレピの和音、再び、ギターとムーグのなめらかなユニゾンへ。 続いてエレピのアドリヴ。 乱れ打つドラムスが凄まじい。 ベースはフレットレスのようだ。 完全にフリー・ジャズである。(4:00) 次第にリズムが鋭さを増し進行するベクトルが生まれてくる。 ギターをきっかけにアドリヴ合戦が終了。(5:50) そしてヴォイス・パフォーマンス開始。 キチガイのモノローグのような不気味なヴォイスに、奇妙なノイズがつきまとう。 サステインする電子音はギターだろうか。(7:40)
   エレクトリックなノイズも交えたエネルギッシュな即興演奏。 前半は、スピード感あふれるド迫力の全体演奏と、スペイシーなフリー演奏を対比させてドラマを作るが、中盤以降はエレピのリードで、テンパったままドシャメシャな演奏が続く。 終盤デメトリオのヴォイスも、あたかも異音を発する楽器の一つのように、インプロヴィゼーションに参加する。

  4 曲目「Mirage!」(10:27)前半はシンセサイザー中心の演奏、ヴォーカル参加以降はフリーなパフォーマンス。 したがって、印象は分断されてしまい、テンションの高さは納得できるが、意図が見えにくい。 最後にすべてが一体になるが、効果は疑問。
  ほぼ全編フリーのインプロヴィゼーションが繰り広げられる。 HENRY COW を思わせるような脱ノーマル的な演奏が、しなやかなトゥッティへとまとまってゆく快感あり。

  5 曲目「Lobotomia」(4:23) いらいらするような電子音が迸る。 電子音は多声に分かれアンサンブルのような形になってゆく。 低音はエンジンの音のようだ。 幾重にも絡みあったノイズが発信し、共鳴し、干渉しつつ世界を埋め尽くす。
   シンセサイザーのホワイト・ノイズ、ピンク・ノイズを用いた実験的な作品。 ドイツの大家にありそうな作品でありながら、どこまでもワイルドで遠慮会釈なくゴリ押しするところが AREA らしい。


  新境地への発展を目指した実験的なジャズロック作品。 演奏は、エレクトリックなギミックやヴォイス・パフォーマンスを駆使した、前衛的なインプロヴィゼーション主体である。 ハイ・テンションのプレイがぎっしり詰め込まれてはいるのだが、テーマのある全体演奏をもっと要所に配置するべきだったろう。 その点で、前半の 2 曲はすばらしいのだが、後半はやや難解な面もある。 オープニング・ナンバーが前作を彷彿させるだけに、ストレートな躍動感を期待してしまうと、少し驚かされることになるだろう。

(CRSLP 5102 / EMI 7243 8 57425 2 1)

Crac!

 
Giulio Capiozzo drums, percussion
Patrizio Fariselli piano, electric piano, bass clarinett, synthesizer, percussion
Ares Tavolazzi electric & acoustic bass, trombone
Paolo Tofani guitar, synthesizer, flute
Demetrio Stratos vocals, organ, cembalo, steel drum, percussion

  75 年発表の第三作「Crac!」。 緊密なアンサンブルからアヴァンギャルドな実験まで、何もかもをパワフルなパフォーマンスに叩き込んで絶好調の一枚。 破天荒な蛮力パワーを損なうことなく、うまくジャズロックの楽曲に包み込んだイメージである。 演奏/楽曲ともに、まとまり、パワー、ダイナミズムという点で、本作を最高作をいってもいいだろう。 いわば「恐い RETURN TO FOREVER」なのだ。 ファリセリのキーボード・プレイも圧巻である。 ちょっと日寄ったかなという印象もあるが、スタジオ作という意味では傑出した内容である。 最終曲は、「本気はこれです」という表明。

  1 曲目「L'Elefante Bianco(白い象)」(4:33) アラビックな地中海エキゾチズムいっぱいの、骨太にしてチャーミングなジャズロック。 リズミカルなピアノ伴奏による 8 分の 5 拍子の冒頭部から、一気にノリノリ 16 分の 11 拍子でスピーディに突き進む。 左右のチャネルから現れるヴォーカルがあまりに男臭く存在感があるために、力強くメロディアスな印象が強いが、演奏はきわめて大胆なリズムで暴れ回る。 ピッチ・ベンディングで強烈な臭みを発揮するシンセサイザーとギター、フレットレス・ベースによる爆発力あるリフ、お囃子のようなドラムス。 パワフルな変拍子リフで突進するスタイルは、荒々しい SOFT MACHINE というイメージである。 アラビア風のリフとコントラストするストラトスの歌には爽快感もあり。 終盤のシンセサイザー・ソロからの一気呵成の展開でトドメ。 しなやかにして暴力的な逸品です。

  2 曲目「La Mela Di Odessa(1920)(オデッサの林檎(1920))」(6:27) エレクトリック・ピアノをフィーチュアした RETURN TO FOREVER / BRAND X 直系のファンク・ジャズロック。 エンドレスのポルタメントとノイジーな絶叫が SOFT MACHINEKING CRIMSON を髣髴させる、波乱含みのオープニングは、痛快極まるドラミングで打ち破られる。 暴れ回るエレピ(SOFT MACHINE に酷似)、ダブル・ベース、8 分の 6 拍子を刻み込むピアノ、手数多く出ずっぱりのドラムスが連なる中を、エレクトリック・ピアノとギターが爆発的なプレイを連発する。 スキャットを追いかけて、凶暴な 8 分の 6 拍子のリフをはさんでソロが数珠繋ぎとなってゆく。 中盤からは、一転してムーグ・シンセサイザーとエレクトリック・ピアノによる 8 分の 8+12 拍子のリフでファンキーに迫る。 ストラトスのモノローグ風のヴォイス・パフォーマンスを素っ頓狂な「吹奏楽」セクションが茶化すクレイジーな展開である。 笑い袋のような声、イナナキ、声帯模写、スキャット、電子音ノイズが続く。 「外し」の効いたファンキー・チューンだ。 前半のテンションは、RETURN TO FOREVERBRAND X も真っ青である。

  3 曲目「Megalopoli(巨大都市)」(7:53) ソロを大きくフィーチュアしたカッコいいジャズロック・インストゥルメンタル。 かっちりとまとまったアンサンブルの妙味と、ワイルドなバトルを連ねた力演である。 スペイシーなシンセサイザーに民謡風のスキャットが重なる、ワールド・ミュージック調のオープニング。 エレピとバス・クラリネットのデュオが、幻想的な雰囲気を演出する。 ソフトな序盤は、集中豪雨のようなドラム・ロールでかき消され、16 分の 11 拍子のアシッドなエレピのリフが、怪しい展開の導き手となる。 GENTLE GIANT のような、終わりのよく分からない全体演奏をテーマとして力強く打ち出して、ソロ合戦のスタートである。 挑発的なベースとエレピのドシャメシャな応酬から、伸びやかに天駆けるギター・ソロ、ギターとエレピのバトル、超絶的なベース・ソロとエフェクトでノイズと化したエレピの応酬、そして、チック・コリアを思わせる強烈なエレピ・ソロへ。 リズム・セクションは演奏を支えてエネルギッシュに走り続ける。 機を見て切り込むドラム・フィルは凶暴そのもの。 全体演奏のテーマへと引き戻して、スキャットとともにフェード・アウト。 やはり、弾力に富みながらハンマーの一撃のような衝撃を持つインストゥルメンタルといえる。

  4 曲目「Nervi Scoperti(神経探索)」(6:35)フュージョン・タッチとフリー・ジャズを一つにまとめた大胆なジャズロック・インストゥルメンタル。 冒頭の謎めいたベース・ソロから、前半ではアコースティック・ピアノをフィーチュアし、フリー・ジャズ的展開を見せる。 中盤の凶暴なギター・ソロもフリー的といえるだろう。 一方、エレクトリック・ピアノ、シンセサイザーによるテーマはきわめてフュージョン風。 他にもシンプルなリズムやキャッチーなフレーズなど、典型的なフュージョン・タッチが散りばめられている。 ところが、ソロ・パートでは爆発力あるエネルギッシュな演奏へと変貌するのだ。 ドラムスも人が変わったように(というかハッと目を覚ましたように)、すさまじい勢いで打撃を見せ始める。 終盤はムーグ・シンセサイザーのリードで、雨霰と降り注ぐドラム・ロールとともに、スキャット、ピアノが突き進む。 凶暴で容赦のない感じはあるのだが、カンタベリー風の展開ともいえる。

  5 曲目「Gioia E Rivoluzione(歓喜と革命)」(4:40) カントリー・フレイヴァーあふれるイタリアン・ロックらしい歌もの。 クラシカルなピアノ伴奏による民謡調のこぶしの効いたイントロダクションから、一転して軽やかなギターのストロークとともにメイン・パートが始まる。 ストラトスのいい調子の歌唱、バンジョー風のギターなどすっかりアメリカンなイメージである。 ただし、声質が重いのと言葉をかみ砕くような力の入った表現のため、軽快といっても、赤鬼が西部の酒場に紛れ込んで、戯れ歌を一曲披露しているようなオッカナサが付きまとう。 なんせこういう作風なので、スライドを使ったカントリー・ギターがいやに新鮮だ。 エンディングがとてもピースフルでいい。 イタリアン・ロックの原点の一つである祝祭的なアコースティック・チューンである。

  6 曲目「Imposion(破裂)」(5:00) 管楽器を思わせるキーボードによるテーマが朗々と貫くシンフォニックなジャズロック・チューン。 電子音渦巻くきわめてミステリアスなオープニングを、シンセサイザー、ギターのハーモニーが押し開き、しなやかに歌い上げてゆく。 サックスはないはずなのだが、クラウス・ドルディンガの PASSPORT によく似た雰囲気である。 きらめくピアノ、饒舌なベースによるオブリガートも印象的。 ドラムスも激しさよりも丹念な技を見せている。 テーマからギター、エレピへと主役は移り、次第に、前半の伸びやかなムードとは対照的な、大ナタで切り刻むように壮絶な RTF 風の演奏へと変貌してゆく。 ストレートな展開がカッコいい佳作である。

  7 曲目「Area 5(アレア 5)」(2:09) 完全即興の実験音楽。 ピアノ、ベース、ギター、ドラムス、ヴォーカルが、メチャメチャなフレーズを繰り出して対話(論争か?)を続けてゆく。 ヴォーカルは他の楽器と同じく機敏に反応し、敏捷なフレージングを駆使する。 本作のようなメロディとハーモニーを失った曲においては、ピアノと打楽器に強みがあることを再認識。


  カッコいいジャズロック満載の傑作アルバム。 前作におけるエレクトリックな実験色は、超絶ジャズロックの中に取り込まれ、しっかり消化されたようだ。 すべての作品が、豊かな展開と多彩な音そしてエネルギーにあふれている。 チープな音色のシンセサイザーやエレピ、オルガンを積極的に使うところが独特であり、そのエレクトリックな薄っぺらさが、重戦車のようなアンサンブルと面白いようにマッチしている。 もちろんキーボードのみならず、超絶ユニゾン連発で明らかなように、ベース、ドラムス、ギターも十二分にハイテク保証付き。 豪力技、限りない弾力性、エキゾチズム、無茶苦茶さと何もかも味わえる、すばらしくバランスの取れた作品である。 ラテン・オリエント・ジャズロックの大傑作。 AREA の代表作といえばこれでしょう。

(CRAMPS CRSLP 5103 / CRSCD003)

Are(A)zione

 
Giulio Capiozzo drums, percussion
Patrizio Fariselli piano, electric piano, bass clarinett, synthesizer A.R.P, percussion
Demetrio Stratos vocals, organ, Steel drum, percussion
Ares Tavolazzi electric & acoustic bass, trombone, pocket trumpet
Paolo Tofani guitar, synthesizer E.M.S

  75 年発表の第四作はライヴ・アルバム「Are(A)zione」。 セクシーかつ圧倒的なストラトスのヴォーカルとスタジオ盤を上回るダイナミックな演奏。 屈強にしてスピードもあるパフォーマンスは、AREA こそ最強のライヴ・グループであることを実感させる。 ストラトスのオルガンにも注目。 2 曲目の冒頭ファリセリがリンゴをかじる。

  「Lugio, Agosto, Settembre(nero)」(5:41)第一作より。
  「La Mela Di Odessa」(11:05)第三作より。即興拡大版。
  「Cometa Rossa」(6:00)第二作より。
  「Are(A)zione」(15:00)インプロヴィゼーション大会。 エレピを軸としたヘヴィでカッコいいジャズロックから、フレッド・フリス真っ青のギター・アドリヴを経て、ヴォーカル入りの強烈な全体演奏、そしてミステリアスなベースのアドリヴからフィナーレへ。 強烈な演奏です。
  「L'Internazionale」(3:59)

(CRSLP 5104 / EMI 7243 8 57427 2 9)

Maledetti

 
Giulio Capiozzo drums, percussion
Patrizio Fariselli piano, electric piano, bass clarinett, synthesizer, percussion
Ares Tavolazzi electric & acoustic bass, trombone
Paolo Tofani guitar, synthesizer, flute, tcherepnin
Demetrio Stratos vocals, organ, cembalo, steel drum, percussion
guest:
Eugenio Colombo KazumbaHugh Bullen bass
Walter Calloni drumsSteve Lacy Soprano sax
Anton Arze, Jose Arze TxalapartaPaul Lytton percussion
Umberto Benedetti Michelangeli violinArmando Burattin viola
Paolo Salvi CelloGiorgio Garulli contrabass

  77 年発表の第五作「Maledetti」。 内容は、ヴォイス・パフォーマンスや民族色、圧倒的な演奏力という特徴はそのままにフリージャズへと傾倒した挑戦的なジャズロック。 スティーヴ・レイシーら多彩なゲストによる音楽的刺激を活用して、ジャズロックを超える枠組みを目指すかのように音楽的実験に邁進する。 フランコ・バッティアートを思わせるコラージュ、エディット、ノイズといった前衛的なアプローチも見せる。 ファリセリがエレクトリック・キーボードでもアコースティック・ピアノでも強烈な存在感を放つ。(一方ギタリストは登場シーンが少なくややフラスト気味か) 最終曲は、即興による大作。 緊張と弛緩、熱気と脱力などさまざまな粒子が干渉しあう、文字通りの混沌。

  「Evaporazione」(1:45) さまざまな効果音を使ったヴォイス・パフォーマンス。扇動と絶叫のイントロダクション。

  「Diforisma Urbano」(6:18) 「Crac!」の作風の延長上にある、痛快極まるサイケ・ジャズロック・チューン。 リズムは刻みに刻み、全パートでウネウネとしたパッセージが続くが、曲としてはキャッチーである。 前半はキーボードとリズム・セクションをフィーチュアして突っ走り、すかっと視界が開けた後、中盤からの R&B テイストたっぷりのオルガン、シンセサイザー、ヴォイスによる演奏がすばらしくカッコいい。 最後はギターも参戦。(ワウ・エレピと音の区別がつかないので最初から入っているのかもしれない) ストラトスがもっと怒鳴ってもよかった。

  「Gerontocrazia」(7:30) 民族色濃い変拍子歌ものジャズロック。 アフリカン・パーカッションとヴォーカルによる朴訥なるデュオにレイシーのサックスがささやくようにからむ序章にピリオドを打つのは、チェロのボウイングとともに走り出すストラトスのヴォーカルである。 中盤からは、ムーグのリードによってエキゾチックなテーマを提示する民族ジャズロックから、得意の仕切り直しで変拍子によるハードな RETURN TO FOREVER 調の演奏へ。 ベンドを駆使して目まぐるしく走るシンセサイザーがカッコいい。

  「Scum」(6:30) アコースティック・ピアノの圧倒的なパフォーマンスをフィーチュアした前衛ジャズ作品。アクセントで放り込まれるエレクトリック・キーボードのワサビの効きもいい。 最後はモノローグを変容させるヴォイス・パフォーマンスでしめる。シリアスとユーモラスの端境。

  「Il Massacro Di Brandeburgo Numero Tre In Sol Maggiore」(2:20)バッハの「ブランデンブルグ第三番第一楽章」の引用。弦楽カルテットによる。

  「Giro, Giro, Tondo」(5:55)労働歌風のヴォーカル・パフォーマンスをテーマに、テクニカルで華麗なエレクトリック・キーボードで支えるジャズロック。 ささくれ立った感じの荒っぽい演奏がいい。 プログレっぽさも強い。

  「Caos(Parte Seconda)」(9:00)美は乱調にあり。落語を超える「声」のパフォーマンス。サックスが普通のフリージャズ調で「浮いている」。

(CRAMPS CRSLP 5105 / CRSCD005)

Concerto Teatro Uomo

 
Giulio Capiozzo drums, percussion
Patrizio Fariselli piano, electric piano, bass clarinett, synthesizer
Ares Tavolazzi electric & acoustic bass, trombone
Paolo Tofani guitar, synthesizer, flute
Demetrio Stratos vocals, organ, cembalo, steel drum, percussion
guest:
Steve Lacy Sax
Paul Lytton percussion

  97 年発表のライヴ・アルバム「Concerto Teatro Uomo」。 76 年ウオモ・シアターでのコンサートを丸ごと録音した CD 二枚組である。 選曲は、「maledetti」からの作品を中心にすべてのアルバムから網羅されている。 完全即興含む圧倒的なパフォーマンスを堪能できるが、録音は良質のブートレッグ並み。 曲の間でストラトスがよくしゃべります。

  「Evaporazione」(4:54)第五作より。
  「Arbeit Macht Frei」(4:43)第一作より。
  「Luglio, Agosto, Settembre (Nero)」(7:09)第一作より。中間部はパーカッション乱れ打ちと電子音渦巻くインプロ大会。
  「L'Abbattimento Dello Zeppelin」(10:26)第一作より。
  「ZYG (Crescita Zero)」(6:24)第二作より。
  「Cometa Rossa」(9:38)第二作より。
  「Lobotomia」(3:50)第二作より。ノイズ。
  「Il Massacro Di Brandeburgo Numero Tre in Sol Maggiore」(7:14)第五作より。ブランデンブルグ協奏曲に手拍子。1 分過ぎからはタイトなジャズロック(「Diforisma Urbano」)へ。
  「L'Elefante Bianco」(4:50)第三作より。
  「Gerontocrazia」(6:54)第五作より。
  
  「La Mela Di Odessa」(17:57)第三作より。前半ドラムス・ソロ。
  「Gioia E Rivoluzione」(10:50)第三作より。
  「Scum」(7:34)第五作より。
  「Giro, Giro, Tondo」(8:03)第五作より。
  「L'Internazionale」(5:01)
  「Boom Boom(John Lee Hooker)」(6:49)
  「Improvvisazione」(13:50)第四作より。 「Are(A)zione」か。

(CRAMPS CRSCD011/012)

Parigi-Lisbona

 
Giulio Capiozzo drums, percussion
Patrizio Fariselli piano, electric piano, bass clarinett, synthesizer, percussion
Ares Tavolazzi electric & acoustic bass, trombone
Paolo Tofani guitar, synthesizer, flute, tcherepnin
Demetrio Stratos vocals, organ, cembalo, steel drum, percussion

  97 年発表のライヴ・アルバム「Parigi-Lisbona」。 76 年フランス、ポルトガル・ツアーの実況盤。 前半のストラトスの MC はフランス語。いかにもコスモポリタンらしく流暢です。 全体にエネルギッシュにして余裕の感じられる演奏だが、少しタガが外れるとたいへんなことになりそうだ。 感性の昇華/爆発方法としてジャズロックの形式を利用しただけなのだろう。 ストラトスは、オルガンのアドリヴを放ちながら大胆なヴォイス・パフォーマンスもしかける。 ヴォーカル、キーボードと比べると、トファニのギターのアドリヴのスペースは少ない。
  
  「L'Elefante Bianco」(5:21)第三作より。
  「Megalopolis」(8:06)第三作より。
  「La Mela Di Odessa(1920)」(8:56)第三作より。クールな変拍子リフの上でやりたい放題。
  「Lobotomia」(4:11)第二作より。嵐のような電子音ノイズによる実験的小品。観客は文句をいっているのでは。
  以降、リスボンでのライヴ。
  「Presentation Concerts Lisboa」(3:26)さすがに MC は別の方(ナンとなく容姿が想像できる女性である)。メンバー紹介あり。
  「Arbeit Macht Frei」(8:25)第一作より。序盤より狂乱する管楽器、シンセサイザーらの即興合戦を圧倒的なエレピ・ソロが収束させる。
  「Cometa Rossa」(7:15)第二作より。アラビアン・テイストあふれる作品。
  「Luglio, Agosto, Settembre(nero)」(6:51)第一作より。いつ聴いてもインパクトのある曲です。
  「L'Internazionale」(4:12)

(CRAMPS CRSCD018)

1978 Gle Dei Se Ne Vanno, Gli Arranbbiati Restano!

 
Giulio Capiozzo drums, vibraphone, percussion
Patrizio Fariselli piano, organ, electric piano, synthesizer ARP Odyssey, Pro-Sploist, Polymoog, Omni
Ares Tavolazzi electric & acoustic bass, acoustic guitar, mandola, trombone, pocket trumpet, vocals
Demetrio Stratos vocals, organ, electric & acoustic piano, ocarina

  78 年発表の第六作「1978 Gle Dei Se Ne Vanno, Gli Arranbbiati Restano!」。 ギタリストのパオロ・トファニが脱退、四人編成となる。 内容は、テクニカルにして今までになく開放感のあるジャズロック。 変拍子のリフを多用し、フリー・ジャズ的な爆発力と独特のエキゾチズムを活かしてダイナミックに迫るのだが、全体的にキャッチーなイメージがある。 そして、変わらぬ圧倒的存在感を示すヴォーカルは、ドスの効いた破天荒なパワーをより明快に整理し、ストレートなポップ・テイストを生み出すことに成功している。 したがって、全体に、超絶的な演奏力を生かした余裕の感じられるパフォーマンスになっている。 ギタリストの脱退に伴い、演奏面ではキーボードの比率が上がり、特異なヴォーカル・パフォーマンスとともに演奏のフロントを二分している。 キーボードがリードするオーセンティックなジャズと地中海/北アフリカ風のエキゾチズムは巧みに均衡し、そこに、アヴァンギャルドな表現を難なく受け止めるほどにポップな味わいが生まれている。 テクニカルにして明快で小気味のいいフュージョン・タッチもある。 7 曲目のようにソロのスペースも圧倒的に拡大している。 ベーシストも、今まで以上に幅広い演奏を見せる。 アコースティック・ベースを使ったジャズロックでは、ミロスラフ・ヴィトゥス在籍時の WEATHER REPORT を思わせる瞬間もある。 このダブル・ベースやピアノのおかげで、よりモダン・ジャズ寄りのアコースティック・サウンドになるところもある。 ポップなフォーク・ソングである 5 曲目のメロディが、THE BEATLES の「Nowhere Man」に似てるのは偶然? 7 曲目はピーも入る。
  腰を抜かすような迫力も変わらずあるのだが、それ以上に、ダイナミックで多彩な演奏をアクセスしやすい表現でまとめた作品といえるだろう。

  「Il Bancito Del Deserto」(3:13)華々しいオープニング。とにかくカッコいいです。
  「Interno Con Figure E Luci 」(4:07)
  「Return From Workuta」(3:02)
  「Guardati Dal Mese Vicino All'Aprile!」(5:12)
  「Hommage À Violette Nozières」(3:18)アコースティック・ギターはタヴォラッツィが弾いているようだ。
  「Ici On Dance!」(3:27)
  「Acrostico In Memoria Di Laio」(6:12)AREA らしいスタイリッシュな作品。
  「"FFF"(Festa, Farina, E Forca)」(3:49)
  「Vodka Cola」(7:27)

(ASC 20063 / URLO CGD 9031 74033-2)

Lupi Sintetici E Strumenti A Gas

 
Patrizio Fariselli piano, keyboards
Angeia Baggi voice
Marco Micheli bass, contrabass
Roberto Cecchetto guitars
Giovanni Giorgi drums

  2001 年発表の作品「Lupi Sintetici E Strumenti A Gas」。 AREA のキーボーディスト、パトリツィオ・ファリセリのユニットによる作品。 パワフルなヴォーカルをフィーチュアしたアヴァンギャルドなピアノ・トリオからエレクトリック・キーボードも駆使したジャズロック、オーガニックなフュージョンまで、エキゾティックなスケール/和声を用いた、きわめて多彩な楽曲を含む力作である。 全編、キレのよさが特徴。 AREA の名曲の翻案(管楽器による強烈なアレンジ!)もあり。 改めて、AREA の前衛的な表現にはファリセリ氏の感性の寄与も大きかったと気づく始末。 フュージョン・タッチの作品ではライル・メイズばりの幻想的かつスムースなプレイもあり。 タイトル曲は、セカンドライン・ファンク風のリズムで大胆なヴォーカル表現をフィーチュアした挑戦的な傑作。 エレクトリック・キーボードの使い方が非常にカッコいい。ジャズすらも素材化した卓越したモダーン・ミュージックである。 6 曲目の男性ヴォーカリストは傑物。 ファリセリ氏にとってはソロ・ピアノにおける自己主張が最も自然なようだが、一リスナーとしては本作品のようなタイトなバンド演奏を期待したい。 (3 曲目の間奏ソロのような個性的なプレイは大歓迎だが)

(CU-LT CD0001)


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